子育て情報『「自分は一体、何者?」幼い頃から抱いた疑問。ASD当事者の「物語」が道を開いてくれたーー研究者・綾屋紗月さんインタビュー・前編【連載】すてきなミドルエイジを目指して』

2020年10月28日 08:00

「自分は一体、何者?」幼い頃から抱いた疑問。ASD当事者の「物語」が道を開いてくれたーー研究者・綾屋紗月さんインタビュー・前編【連載】すてきなミドルエイジを目指して


ミドルエイジの先輩たちが「自分らしい生き方」に至るまでーー綾屋紗月さん

東京大学先端科学技術研究センターで、特任講師として発達障害の当事者研究(※)や、当事者研究の研究などを行っている綾屋紗月さん。幼い頃から家庭や学校で違和感を抱いていましたが、そこにASD(自閉症スペクトラム)の特性が関係していると知ったのは大人になってからだと言います。

自分の身体や他人との「つながれなさ」を感じていた綾屋さんが、自分を理解し、社会とつながっていくまでのプロセスをお話しいただきました。

当事者研究とは:
一人ひとりが自分自身の困りごとや生きづらさについて研究者となり、周囲の仲間たちと語り合うなかで困りごとへの理解を深めることや、よりよい付き合い方を探していく営みのこと。綾屋紗月さんが主宰する、発達障害当事者による当事者研究活動「おとえもじて」をはじめ、さまざまなテーマ・共通点ごとに当事者研究コミュニティがある。


子ども同士の「暗黙のルール」がわからなかった

――綾屋さんは、発達障害のある人を中心に当事者研究を行う会「おとえもじて」の発起人で、ご自身も大人になってからASDの診断を受けていますよね。幼少期はどのように過ごされていましたか?

綾屋紗月さん(以下、綾屋):3〜4歳の頃、家では、「なんでこんなに自分の思っていることが両親に伝わらないのだろう」「どうしてわたし、いつも泣いているのかな」と感じていました。

父に怒られたわたしは悔しくて泣くのですが、後から「あのとき、あなたはこういうつもりだったんだよね」と通訳のように言葉にしてきて。「わかってるんだったら、なんでさっきあんな風に怒ったんだよ」と腹が立って、余計に泣いてしまうようなこともありました(笑)。母はわたしが何を考えているのかが本当にわからなかったようで、「この子も大きくなれば、自分のことを自分で説明できるようになって、生きやすくなるだろう」と思いながら育てていたらしいです。

それでもどうにか家庭の中ではやっていけたのですが、幼稚園に入ってからは、子どもたちの間にあるルールや、今何が起きているのかがよくわからなくて。ちょっと怯えながら様子を見ているような状態でした。

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Upload By 姫野桂

――集団の「暗黙のルール」のようなものの難しさを、幼稚園ですでに感じ取っていたんですね。

綾屋:他の子たちが遊んでいる輪に、わたしが「入れて」

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