子育て情報『発達障害のある子には「インクルーシブ教育」が良いのか?誤解されやすい「みんなで一緒に」の落とし穴』

2021年10月13日 14:15

発達障害のある子には「インクルーシブ教育」が良いのか?誤解されやすい「みんなで一緒に」の落とし穴


みんなで一緒に学習したほうがいい?

私は精神科医として30年以上の臨床経験があり、その大半を発達障害の診療に当ててきました。今回は、よく耳にする「発達障害のある子にとって、定型発達の子どもたちと過すごすことがよい刺激になる」という話について、私の考えをお伝えしたいと思います。

世の中には「子どもが多少苦労をするとしても、大勢の中みんなで一緒に学んだほうがいろいろと経験できることが多く、よい学習になる」と考える人もいます。
しかし私はその「みんなで一緒に」ということを、よく考えなければいけないと思っています。

障害のある子と障害のない子が共に学習する仕組みを「インクルーシブ教育」と言います。多様な人たちが共に生活していく「共生社会」をつくっていくための教育とされていますが、そのような考え方では通常、「みんなで一緒に」というときに英語の「together」、日本語で言う「共に」をイメージすることが多いと思います。多様な子どもたちがそれぞれに合ったやり方で学習しながら、共に生活していくというイメージです。


「みんなで一緒に」同じことをやるべきか?

ところが、この「みんなで一緒」を「みんなで同じ」ようにすることだと考え違えてしまう人もいます。例えば学校で、障害のある子も障害のない子も、みんなで同じことをするのがインクルーシブ教育だととらえる人もいるのです。

学校の先生のなかには、子どもたち全員に同じ宿題を出して、同じやり方でやるように指示する人もいます。読むのが得意で大人向けの文章をスラスラ読めるような子にも、読むのが苦手で教科書の一文を読むことに苦労している子にも、「音読3回」といった宿題を出すのです。

これはtogetherではなく、英語で言えば「same」です。サッカーで言えば、どんな子にも必ずシュートを打たせるようなものです。走るのが得意な子も守るのが得意な子もシュートだけをやるわけで、それでは多様な学習も、共生社会も形成していけません。そのようなやり方は、間違ったインクルーシブ教育だと言えます。


本来のインクルーシブは、多様さを認め合うもの

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Upload By 本田秀夫

私は、インクルーシブ教育は本来、together(一体感のあるみんなで「一緒に」)というよりは、英語で言う「alongside」(並行してそばで「一緒に」)のような形で行われるべきだと考えています。

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