自閉症長男、就学まであと1年!「集団行動、友達トラブル、順番ルール」の壁に焦り…療育と家庭で行った、学校生活への不安解消の取り組み
できることを増やしたい…焦っていた年長
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自閉スペクトラム症のあるけんとは、年中~年長のときに、こども園に通っていました。
自分の興味があることはとことんやるけれど、興味がないことは一切見向きもしない性格。年中のころは、体操、お遊戯、制作、園の行事などに参加することはほとんどありませんでしたが、年長になって園のご協力もあり、少しずつ参加することが増えてきました。
先生が声かけをしてくださったときに興味があれば参加するし、なければ参加しないで自分の好きなことをすることも多かったようです。
こども園や普段の様子から
「集団行動や、順番に並ぶのが苦手」
「人の使っているものを勝手に使う」
「興味がない授業を受けられるのか」
「ルールを守れるのか」
…などが特に心配でした。
小学校では特別支援学級を希望していたので苦手なことは支援していただけるかもしれないと思っていましたが、就学に向けて少しでもできることを増やしたいと焦っていました。不安でいっぱいだった年長のころに行った、児童発達支援施設と家庭での取り組みについて振り返ってみたいと思ます。
就学に向けた年長向けの児童発達支援施設で
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通っていた児童発達支援施設は、その日の流れをイラストにし、順番に並べて伝えるなど、視覚を使った支援を行っていました。
視覚優位の特性をもつけんとにとっては、やることが分かりやすかったのか、興味がそれほどないことでもプログラムに参加することが多かったようです。
そこは年長の子どもの就学に向けたプログラムをメインとしている児童発達支援施設。制作課題では、みんなで協力して1つのものをつくることもありました。ハサミや、のりなどの貸し借りをお友達の間でする、というのも目的になっていて、苦手そうな場合は指導員さんが間に入って一緒に伝えてくださいました。
鬼ごっこのような少しルールのある遊び、順番に並びながら行う粗大運動のサーキッド、少人数ずつ横断歩道を渡りに行く課外活動…など、就学を意識したプログラムを行ってくださいました。帰り際、その日の子どもの様子を教えてもらい、何が苦手なのかを知ることができました。構音障害のあるけんとは、言葉で伝えるのが苦手。人の使っているものを勝手に取ってしまったり、ルールのある遊びも理解せずなんとなくやっていたりするようですが、繰り返していくたびに少しできるようになることもありました。
就学に向けて不安なことは、すぐに先生に相談させていただき、アドバイスなどをいただいたので、私の安心感にもつながりました。
学校とはどんなところ?不安の強いわが子へ
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見通しがたたないと、すぐ不安になってしまう心配性のけんと。小学校という新しい世界に飛び込んでいくのは、環境の変化でとても不安が多いだろうなと思いました。
小学校とはどういうところで、どんなことをするのか、学校にはルールがあることなど、何となくでも知ってほしいなと思い、小学校生活について書いてある本を図書館で何冊か借りてくることに。
内容としては、学校にはどのような部屋があるのか、小学校での1日の時間の流れ、どういうお勉強をするのか、どんな行事があるのか、学校生活でのルール、お友達へのあいさつの仕方、教室の掃除の仕方…など、いろいろなことが分かりやすくイラストや写真を使って描いてありました。
一緒に読んでみたり、目につくところにそっと置いたりしておくと、好みの本を選んで1人でも読んでいた様子。「小学校に早く行きたい!」と言うようになったので、楽しみにしてくれたのはよかったかなと思っています。
先生やお友達に教えてもらいながら…
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けんとは小学1年生になりました。
本で見ていたイメージと、実際に通ってのイメージが合っていたのかは分かりませんが、いろいろな教科に興味をもち、授業を楽しみにしながら学校へ通っています。今でも友達のものを勝手に使ってしまうこともありますが、順番に並ぶというのはこども園のときよりはできるようになりました。
年長のときは就学までにどれくらいのことができるようになったらいいのか分からず、不安になっていましたが、結局、就学までにできるようにならなかったことも多かったです。しかし現在、先生方やお友達が困ったときは助けてくださり、分からないことやできないことは教えくださっています。学校生活を送る中で成長し、学校を楽しんでいる様子なので周りの方々にとても感謝しています。
現在もルールなどを守れなかったり、教室から出て行ってしまったり…と、まだまだ集団行動は苦手ですが、少しずつできることが増えてくれたらうれしいなと思っています。
執筆/ゆきみ
(監修:鈴木先生より)
友達のものを勝手に使ってしまうことがある場合は、まずは「貸して」と言えるように教えてあげてください。
神経発達症(発達障害)のあるお子さんは、興味のないことや嫌なことがあるとその場から逃げてしまう傾向があります。
「がんばりカード」をつくって、少しでも参加できたらポイントをつけてみましょう。ポイントが5点たまったら動物にエサをあげられるなど、行動のご褒美をあげるというトークン法がいいと思います。
小学校入学など環境が変わるときには、できれば映像を見て予習することをおすすめします。私たちが初めて海外旅行へ行くときと同じように、本よりもイメージが広がり、どんな所かが分かって安心できるからです。
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