「帰らない!」4歳グレーゾーン息子、遊びに行くといつも癇癪!暴れる息子に母が思わず口走った言葉は効果絶大で…!?
多動が落ち着いてきた4歳ごろ。しかしまだまだ困りごとが…
しのくんは小さいころから、スーパーに買い物に行っては、いきなり走り出したり、外食に行っても席を立って脱走したりと、落ち着きが全くありませんでした。
そんなしのくんですが、4歳を過ぎた辺りから、徐々に自分の気持ちをコントロールできるようになってきて、いきなり走り出すとか、外食に行っても席から脱走することはなくなりました。
しかし…自分の「したいこと」「やりたいこと」を途中で切り上げることに関しては、まだ難しい状態でした。
特に悩まされたのは、「自転車の練習」と「公園遊び」でした。
「おしまい」ができず癇癪
4歳の誕生日に祖父母から自転車を買ってもらったしのくんは、自転車の練習が大好きでした。
もちろん補助輪をつけて自転車の練習をするのですが、まだ走りが安定しておらずフラフラと倒れるかもしれないので、私はしのくんが運転する自転車のすぐ横で走ります。
走って走って走りまくって、家に帰ろうと促しても帰らないと駄々をこねられます。
なので、また走って走って走りまくります。
私の方が先に限界を迎え、最終的にはしのくんを抱き抱え、自転車も持って帰ります。
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毎回ヘトヘトになることが目に見えているため、しのくんの自転車の練習に付き合うのには覚悟が必要でした。
公園遊びも同様で、しのくんのペースに合わせると私の方が先に体力がなくなり、最終的には帰りたくないと癇癪を起こして暴れるしのくんを抱き抱えて帰ります。
遊びはどうやって切り上げる?母の苦肉の策は…
そんなある日、いつものようにしのくんが自転車の練習から帰らないと駄々をこねているときのことです。
私はそういえばしのくんが前からほしがっていたおもちゃをまだ渡してなかったことを思い出しました。
そこで、帰らないと駄々をこねているしのくんに、「あ!そういえば、新しいおもちゃ買ったよ!お家に帰ったら遊べるよ」と言ってみました。
すると、今まで帰らないと駄々をこねていたしのくんが、「え?新しいおもちゃ!?」と食いつき、ピタッと暴れるのをやめたのです。その後、すんなり私の言うことを聞いて、家に無事帰ることができました。
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思い切ってご褒美システムを導入。その結果は…
このことに感動した私は、これを機に思い切って「ご褒美システム」を導入してみることにしました!
困ったときのために、常に新しいおもちゃをいくつかストックし、しのくんが何かを我慢できたときにご褒美として渡すことにしたのです。
この方法はしのくんにぴったりハマり、駄々をこねたり癇癪を起こして暴れることが激減しました。
ご褒美システムのおかげで「我慢すれば何かいいことがある」ということを学んだようで、未来のうれしいことのために、今やりたいことを我慢することができるようになったしのくん。
ご褒美システムを導入したときは、おもちゃがもらえないと我慢できないようになるのでは?という不安もありましたが、結果として我慢の経験を積んだおかげか、なんと4歳10ヶ月の現在は、たとえご褒美がなくても「まだやりたいこと」「まだしたいこと」を切り上げることができるようになりました。
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これからも困りごとは出てくるかと思いますが、その都度いろいろな方法を試して試行錯誤しながら、しのくんの成長を見守っていきたいと思います。
執筆/keiko
(監修:新美先生より)
遊びに夢中になっているときに、おしまいにするのが難しいということ、よくありますよね。行動の切り替えが難しいとき、事前に予告をする、切り替えののりしろの時間に余裕を持たせる、あと〇回などを視覚化して伝えるなどの方法もありますが、今回エピソードを聞かせていただいたように、ご褒美を使うというのも分かりやすい方法の一つだと思います。今夢中になっている行動が終わった次に注意が向けられることがポイントです。
ご褒美はおもちゃ、おやつ、シール、あそびなど、続いても大丈夫な範囲で設定するとよいですね。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。
程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。
SLDはSpecific Learning Disorderの略。