3歳児健診で多動症疑い、癇癪・脱走で幼稚園は加配対応。思い切って父母会役員立候補してみたら、驚きの事実が…!?ーーユーザー体験談
落ち着きのない息子。3歳児健診で多動症疑いと言われて…。
1歳になる前から落ち着きのなさが気になっていた息子。3歳児健診で保健師さんに相談してみたら、多動症の疑いはあるものの、身体面や言語面には特に遅れが見られなかったため「まずは幼稚園に入ってから、しばらく様子を見ましょう」と言われました。
幼稚園はのびのびした自由保育のところを選んだのですが、息子が集団生活に馴染めるのかとても不安でした。そして迎えた幼稚園の入園式。泣いている子や写真撮影のときにウロウロする子もいたので、「目立つのは息子だけじゃない」と少しホッとしました。しかしすぐに現実の厳しさを思い知ることに…。
脱走、癇癪、お友達トラブルで幼稚園から毎日電話!
幼稚園生活が始まると、先生から毎日のように電話がかかってくるようになりました。教室から脱走、自由遊びの時間が切り上げられず癇癪、お友達とのトラブル…。
2学期にはついに、息子の対応に手が掛かるせいでほかのお子さんの保育に影響が出てきてしまい、加配の先生が息子につくことになりました。そのうち幼稚園をやめてくださいと言われてしまうんじゃないかと思っていたので、ショックを受けるより、ほっとした気持ちが大きかったです。そして、私は「このままではいけない」とすぐさま発達支援センターに連絡を取りました。息子は運良くすぐに療育に通えることになりました。
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加配の先生、幼稚園への対応に感謝…私にできる恩返しは?
息子のために新たに先生を増やして対応してくれた幼稚園には感謝しかありませんでした。加配の先生との相性も良く、息子は幼稚園に行きしぶりもなく通うことができていました。
そんなある日、息子が幼稚園から来年度の父母会役員募集のお手紙を持って帰ってきました。まだ乳児だった下の子の世話もあり忙しい時期ではあったのですが、お世話になりっぱなしの幼稚園に何か恩返しをしなくては…と思い、思い切って父母会役員に立候補することに!
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実は当時、ほかのお母さんたちは息子のことをどう思っているのだろう…と密かに気になっていました。
いま住んでいる地域へは産後引っ越してきたので、息子に加配の先生がついたことや、療育に通っていることを話すような間柄のママ友もおらず、しかもコロナ禍ということもあり、そもそも会う機会がほとんどありませんでした。
もしかしたら私が把握しているよりもずっと、息子がクラスの友達にたくさん迷惑を掛けているかも、嫌な思いをさせてしまっているかもしれない…。その反面、「父母会役員やる余裕があるなら、もっとちゃんと自分の子どもを見てよ!」って思われないかな…?という不安もありました。
父母会に入ってみると…驚きの事実判明!
しかし、実際に父母会に入り、仕事が始まると、驚きの事実が判明…!なんと私以外の父母会役員の中に、お子さんに特性がある人が複数いたのです。
お互いに子どもの発達に悩みを抱えていることが分かり、父母会の集まりに行っては愚痴や悩みを言い合う時間がいい息抜きに。「迷惑をかけている分、恩返しをしなくては」という義務感から引き受けた父母会活動でしたが、いつの間にか楽しみにさえなっていました。息子の園での様子も間近で見ることができて、以前より先生と気軽に話せるようになったことも大きな収穫でした。また、父母会活動を頑張ることで、幼稚園やほかの保護者に対する心苦しさも少し軽くなったような気がしていました
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父母会で得られた繋がりは小学校が離れた今でも続き…
その後、父母会活動がきっかけとなり、一人悶々と悩んでいた時間が嘘のように、役員以外のママ達にも気軽に息子の発達に関する話ができるようになりました。
すると表面上は何も困っていなさそうに見えたママさんから「実はウチも悩んでてね…」と、相談を受けることも。
また、息子はコミュニケーションが一方的になりがちで、同年代の子どもと遊ぶのが苦手なので、幼稚園のお友達と降園後に遊ぶことはそれまで一度もなかったのですが、父母会役員を一緒にやったママたちとは、休日に子連れで遊ぶほど仲良くなることができました。
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現在、息子は幼稚園を卒園し、地元公立小学校の特別支援学級に在籍しています。幼稚園で仲がよかったお友達とは校区が違うので小学校は離れ離れになってしまいましたが、幼稚園の父母会で得られた繋がりは切れることなく、今でも交流が続いています。
つくづく、あのとき思い切って役員を引き受けて良かった…と思っている私は、来年また今度は小学校のPTA役員をやる予定です(笑)
イラスト/SAKURA
エピソード参考/あかクレヨン
(監修:鈴木先生より)
話の分かるママ友同士で今でも交流が続いていることは大変素晴らしいと思います。父母会の一つ上の段階に地域の親の会があります。いずれそういった組織とも繋がると、いろいろな情報が入ってきて子育ての役に立つことが多くなると思います。ただ、気をつけなければいけないのは、PTA役員に多くの時間を取られると、どうしてもお子さんと向き合う時間が減ってしまうことがよくあります。
なるべくお子さんとのコミュニケーションを大事にしつつPTA役員をやることが重要だと思われます。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。
程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。
SLDはSpecific Learning Disorderの略。