「あやしても笑わない」長男は自閉症、「1歳で超多動」長女はADHD…二人とも発達障害!?「まだ診断は受け入れられてないけど」凸凹子育て奮闘記【新連載】
あやしても笑わない赤ちゃんだった息子
息子は2歳半で自閉スペクトラム症と診断されました。
今思えば、産まれてすぐから反応が少なかった息子。「赤ちゃんはママがあやしたら笑う」なんてのは都市伝説じゃないかと思うくらい本当に笑わない子どもでした。渾身のいないいないばぁも、ただただ私の独り劇場で終わる始末。
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5歳でやってきた「誤飲の心配」と、「おままごとブーム」
そしてなんでも口に入れてしまう乳児期も食べ物以外全く口に入れませんでした。当時は誤飲の心配も少なく「めっちゃ楽やん?」と深く考えず…楽天家な旦那に至っては「めちゃくちゃ賢いや~ん!」と親バカが炸裂していました。が、なんと5歳になった今…洗面所でつけ置きしていた洗面器の水をペロッとしている姿を目撃してしまいました。(絶叫)
※現在、つけ置きの洗面器はお風呂場へお引越し、さらに扉に鍵をかけて厳重に管理しています。
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最近のブームは私が夕飯の準備をしている横で、おもちゃの料理道具を持ってきて本格的な料理の真似をすること。最中はものすごく微笑ましく、「このまま料理に目覚めて料理男子になってくれたら…」なんて淡い妄想を抱いたりしてます。
※なお、料理を終えた後のリビングは…
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息子と全く違った娘の乳児期。「育てやすい子」と思っていたら…
一方娘は3歳9ヶ月のころにADHDと診断されました。
娘の乳児期は息子のときと打って変わって、ものすごく反応があり、2ヶ月のころにはあやすとニコニコとよく笑う赤ちゃんでした。都市伝説だと信じきっていた「いないいないばぁ」にもしっかりと喜んでくれて…母親としての育児の自信を取り戻したような気さえしました。しかもすごくよく寝る。お昼寝中にどれだけ息子が騒いでいても、ほとんど起きることもありませんでした。息子のときは膝がパキッとなるだけで起きる繊細さだったので、「なんて育てやすい子なんやぁ!!」と感動したほどです。
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そんな育てやすかった娘も、1歳を過ぎてひとり歩きできるようになったころから現在のおてんばガールの片鱗を見せ始めます。家の中でも常に駆け足、朝起きてからベッドに入るまでずっと喋り続けています。さらに好奇心旺盛で何にでも興味を持つ娘は、狙った獲物(おもちゃ)は何が何でも手に入れないと気が済みません。おっとりなお兄ちゃんからよくおもちゃを奪い取っては泣かせていました。今では息子も負けじとおもちゃを奪い返して…喧嘩の仲裁が私の日課です。
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おっとりマイペースな息子とぐいぐい積極的な娘、真逆のような性格の二人。産みの親である私たち夫婦も、先々のことを考えて心配してしまう私と「なんとかなるやろ!」と楽天家な旦那で真逆です。でも、そんな二人だからこそお互い苦手な部分と得意な部分を刺激し合えたり、補い合えているんじゃないかと感じていたりします。
喧嘩も頻発しますが、毎日ふざけ合って笑い転げている仲良し兄妹です。
性格は違っても仲良しな兄妹。二人の診断に戸惑いもあるけれど…
正直、子どもたちの診断を受け入れられているかと言えば、まだ受け入れられていません!メンタルも浮いたり沈んだりを繰り返していますし、受け入れられていません!!(大事なことなので2度…)ですが、それでもここまで来れたのはたくさんの人に支えてもらっているからだと思っています。まだまだ勉強中ですが、もし私の経験が読んでくださった方の支えになれば幸いです。これからよろしくお願いします!
執筆/海乃けだま
(監修:新美先生より)
それぞれに個性の強いお子さん二人と、真逆のご夫妻のエピソードをとても楽しいイラストとともにご紹介くださいましてありがとうございます。「まだまだ受け入れられていません!」と2度おっしゃっていますが、こんな素敵なエピソードに昇華されている海乃さんのご姿勢がパワフルで素晴らしいなと思いました(感想です)。
同じ両親が基本的に同じように育てても、子どもはそれぞれの個性を発揮するものですよね。世の中の「親のしつけガー」とかいうめんどくさい人たちに見せてやりたいエピソードだと思いました。子どもも大人もそれぞれの個性があるから大変で、そして楽しいものです。
それぞれの個性でぶつかったり、悩んだり、工夫したり、愚痴ったりしながら、家族内でもそして他人ともいろんな形で共有していけるのは、とてもいいなと思います。これからまたいろんなエピソードを聞かせてもらえたらうれしいです。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。
論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。