失敗から学ばない思春期自閉症娘、自己肯定感を大切に育てたことが裏目に!?メモを取らない「こだわり」は変えられる?
自己肯定感が高い広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘
広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある娘は、4月から中学1年生になりました。これは娘が小4~小6のときのお話です。
娘は小さいころから自己肯定感が高く、「自分はできる!」という気持ちが強い子どもでした。私たち夫婦は、娘に発達障害があると分かってから、自分に自信をなくしたり、他人と比べて落ち込んだりしないように、育ててきました。
「発達障害があっても、引け目を感じることがない」
「あなたには、あなたの良さがある」
と声をかけていました。
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元々、特性上周りをみないところがあるので、自分と他人を比べることはなく、純粋な性格が影響してか、自己評価の高い子どもになりました。しかし、成長するにつれ、この接し方が、悪い方に影響するようになってきました。
耳から聞いたことを、覚えておくのが苦手。
娘は、情報を耳で聞き、頭で処理する力が弱いという特性があります。
そのため、口頭で指示を出しても、記憶に定着せず、すぐに忘れてしまうことが頻繁にあります。
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言われたことを思い出した瞬間、「またやっちゃった!」「なんで私はこうなの!?」と過剰に反省し、自分を責めることをするのですが…
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その反省は長く続かず、数分後に同じミスを繰り返したりします。
視覚から記憶するため、メモを提案するものの・・・
私は視覚優先な娘に対して、「メモをとってみたら?」と何度もアドバイスをしましたが・・・
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その度に娘は、「大丈夫!私、ちゃんと覚えておけるから!」と言い、メモをとることをしませんでした。
私が指示を紙に書き、見せるということをしようと思えばできたのですが、ちょうどこのときは、娘の思春期&反抗期が激しかった時期で…
発達外来で、先生から
「自立力を伸ばすために、あーさんに決めさせてください。その結果、起きたことも自分の責任だと思ってもらいましょう」
とアドバイスされたこともあって、私は、自分が手助けすることはせず、メモをとることを娘に強制することもしませんでした。
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メモを取らないことで負の無限ループに…
なんとかメモを取り入れてほしいという思っていた私は、無駄かもしれないと思いつつ、メモの良さ、便利さなどを話したのですが…
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娘の考えを変えることはできませんでした。
娘は長い期間、
聞く→忘れる→激しく反省する→アドバイス→無視→聞く→忘れる…
という流れを何度も繰り返しました。
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その間私は、何度もイライラし、なんで!?と、娘の特性そのものを責めそうになりました。
過剰に反省しながらも、自己肯定感の高い娘。「私ならそんなに自分を追い詰めるほどの失敗したら、自信がなくなるけどな・・・」と、自己肯定感が低すぎる私は、娘の行動がまったく理解できませんでした。
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いつまで私はこのことを娘に言い続けなければならないのか…
モヤモヤした日々が続きましたが、とうとうある日、メモをとるようになったのです!
そのお話はまた別のコラムで書けたらと思います。
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執筆/SAKURA
(監修:鈴木先生より)
自己肯定感の低い神経発達症のお子さんが多い中、親御さんに「あなたの良さがある」と育てられた娘さんは幸せだと思います。一般的にはASDのお子さんは視覚優位と言われていますが、聞いたことを忘れるのは言語性が高くないか不注意が多いかのどちらかが多いです。詳しく知りたい場合はIQテストやADHDのチェックをすることで分かることも多いので専門の医師に相談することをおすすめします。ADHDの場合はメモしてもそれすら見ないことが多く、周りから責められて自尊心が低下していきます。せっかく自己肯定感が高く育ってもASD以外の併存疾患で負のループに陥ってしまうお子さんもいますので、気になる場合は主治医に相談をしてみましょう。
無限のループも原因が分かれば無限でなくなり、出口が見えてくるはずです。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。
程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。
SLDはSpecific Learning Disorderの略。
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