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「覚えられないならメモを取れば?」アドバイスを完全無視の自閉症娘に母はイライラ!ところが2年近く経ったある日…

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口頭の指示をすぐに忘れがちな娘。「メモを取れば?」とアドバイスしても…


広汎性発達障害(自閉スペクトラム症)のある中1娘。
情報を耳で聞き、頭で処理する力が弱いという特性があるので、口頭の指示をすぐに忘れがちです。そんな様子を見て「メモを取ったら忘れないんじゃない?」とアドバイスをしても…

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「大丈夫!私、ちゃんと覚えておけるから!」の一点張りでまた忘れて…の繰り返しでした。

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一人モヤモヤしていた私は、夫に相談しました。

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「待つしかない」
これは、娘の療育の日々が始まって、何度もしてきたことでした。

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最近、できることも増え、成長してきた娘を見てきたので、
特性を理解しつつも、私は急激な変化を求めていたと気がつきました。

そこからは、自分の感情と戦いながら、心を落ち着かせ、無心で言葉を繰り返しかけ続ける日々…。

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もちろんずっと無心ではいられず、ついイライラしてしまうときもありました。
何か言ってしまいそうになるときは、娘から離れ、悶えながら耐えたり、夫に愚痴ったりして、ストレスを発散させました。

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メモをとるように言い始めてから2年…とうとう娘に変化が!?


そして、娘にメモをとるように言い始めてから、2年近く経ったある日…

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娘はメモをとり始めました!

私は、なかなか咲かない花に、水をあげ、待ち続け…やっと花が咲いたような気持ちになりました。
「覚えられないならメモを取れば?」アドバイスを完全無視の自閉症娘に母はイライラ!ところが2年近く経ったある日…

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しかし、私の思いとは裏腹に、言われた日々を覚えていなかった娘…。

私が試行錯誤し、いろんな感情と戦っていた日々は、娘にとって、たいした時間じゃありませんでした。そうだ…この子はそうだった!と思うと、なんだか笑えました。

それから娘は、ちょっとしたことでもメモをとるようになりました。

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言われたことをメモにとり、もう一度視覚から情報を入れることで、娘はきちんと覚えるようになりました。

それから娘は、学校にもメモ帳を持っていくようになり、こまめにメモ。
通常学級の担任の先生と、特別支援学級の担任の先生から「最近、あーさんがすごいです!なんでもメモとって、しっかり行動できます!」とお褒めの言葉をいただきました。

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中学生活は、今までより大変なことが起きるかもしれませんが、この経験を活かし、「気長に言い続ける」「とにかく待つ」ということをしっかりと頭に入れたいと思います。

執筆/SAKURA

(監修:鈴木先生より)
せっかくメモをとってもそれを見ない人もいます。気長に待っても毎回忘れることが多い人は不注意優勢に存在するADHDの可能性もあります。その場合、忘れる以外にも、部屋を片付けない・失くしやすい・人の話を聞かない・授業中集中できない・準備にもたもたするなどの症状もあります。診断がつけば治すこともできます。

どんなに短いことでも初めてメモを取ったら思いっきり褒めてあげることも重要です。褒められることでメモをとる軌道に乗れるからです。
次はメモを見てそれを実行するかどうかです。実行できたらさらに褒めてあげましょう。そうすることによりメモをとって実行する習慣がつけば周りから注意されることも減り、自尊心が上がるはずです。

コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。


知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。
今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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