4歳で突然こだわり出現!道順、服、交通ルール…自閉症息子の地雷はどこに?癇癪を避けろ!サバイバルな母の毎日
3歳までこだわりや癇癪がほぼなかった息子。でもこだわりのタネは少しずつ芽を出し始めていて…
赤ちゃんのころから反応が少なかった息子。癇癪・こだわりも例外ではなく、特に産まれてから3歳あたりまで「どうしてもこうしたい!!」という息子からの強い思いはほぼありませんでした。
たとえば、おもちゃで遊んでいても目の前からなくなるとすぐにあきらめて違うおもちゃで遊びだすので、児童館でお友達と取り合いになるようなこともなく…というか全てのおもちゃ・遊びに対して興味が薄く、夢中になることがほとんどなかったように思います。
親としては「もっと熱くなれよっ!!」と言いたくなるくらい、物事への執着を感じることがありませんでした。
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うちの子はもしかしたらこのままこだわりや癇癪が少ないタイプなのかもしれない…そう思っていた矢先、4歳を過ぎたころから何気ない日常生活で積み重ねた「いつもの習慣」が突如地雷となって爆発する日がやってきたのです(恐怖)。
ある日、何の前触れもなく突然現れたこだわり。まるで地雷!!日常生活がサバイバル!?
それはある晩のこと…毎週土曜日の夕飯は祖父母の家(義実家)でつくっていただいているのですが(とてもありがたい)、わが家の玄関を出て左の階段が正門、右の階段が車庫に続いており、その日は車に置き忘れた物を取りに行ってから祖父母宅へ向かおうとしていました。息子に「ちょっと車に忘れ物したから取りたいねん」と一声かけてから手を引いて車庫の方へ歩きだすも…息子はピクリとも動きません。「どうしたの?」そう声をかけようとした途端、『ごっぢー(こっち)』ととんでもない声量で叫び出したのです(唖然)。
それこそ知らないうちに積み重ねていた"いつもと同じ通路"が息子の中でこだわりとなっていたことを知った瞬間でした。
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この出来事があってから、今までの間に次々とこだわりという名の地雷が発掘されております(白目) 。
誰得‼︎祖父母宅関連の息子のこだわり一覧
・必ず玄関を出て左の正門から
・祖父母宅へ行く専用の靴下
・祖父母宅へ行く専用のサンダル
・家の前の道路を横断する際の左右確認←妹・パパママたちもちゃんとしてるかチェックされます(笑)
・息子専用のお皿・スプーン・フォーク
・息子専用のコップ・ストロー、そしてティースプーン←(お茶を混ぜるため)
一つひとつは取るに足らない小さなこだわりなんですが、数が多くなってくるとなかなか大変です…。
一方で、こだわりがいい方向に働くことも…
息子は今ミニカーに激ハマりしているのですが、そこから派生して道路標識にも興味を持ち始めています。交通ルールに関して教えると、必ずそのルールを守ってくれます。
道を渡るときは車が来ないか左右確認、手を挙げて渡る、交差点の歩行者の止まれマークは必ず止まる。そして横断歩道があればその白線の上を必ず歩く。
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パパやママ、そして妹もしっかりとルールを守っているかチェックされます。
息子の「交通ルールを守る」こだわりは、スーパーの駐車場なども例外ではなく…たとえ目の前にスーパーの入り口があったとしても、横断歩道があるところまで遠回りしていく徹底ぶりです。
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こだわりのタネになると困ることは避けているつもりでも…
もともとの息子の性格上、何時間でも泣き続けるような強いこだわりというのはないのですが、どんな毎日の習慣がこだわりのタネになってしまうか分からないので、今日はAの日、別の日はBの日など変化を持つように意識しています。しかし、無意識で毎日同じ行動をしていることもあり、息子の「ママはいつも○○なのー?」や「〇〇に行くから右から出る!(車)」などの言葉で習慣化していることに気づかされます。
ちょっとした脳トレと思いながら、日々過ごしております (※ただし、余裕のあるときのみ) 。
執筆/海乃けだま
(監修:藤井先生より)
息子さんのこだわりの内容の詳細がよく分かるコラムをありがとうございます。ASDのあるお子さんで、言葉で自分の気持ちをうまく表現できない場合、どうして癇癪を起こすのか分からないままのこともあります。癇癪の理由が分からない場合もありますが、(小さな)こだわりの積み重なりによることもあると想像できますね。こだわりを強化しないように、変化を持つように意識しているとのこと、とても良いことだと思います。
ルーティンは持ちつつ、緩められるところは緩めて、行動の幅を持たせられると良いですね。
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。
程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。
SLDはSpecific Learning Disorderの略。