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特別支援学級に通うダウン症小1息子、授業参観で脱走!奇声!それでも「入れて良かった」と思った理由

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特別支援学校か、地域の小学校か…悩みに悩んだダウン症息子の就学先


以前、きいちゃんが小学校の入学式直前に逃亡し、肝心の式では大泣きをして、私は「就学先を間違えてしまったのではないか…」と、悩んでしまったというコラムを書きました。

地域の小学校の特別支援教室に入学し、手厚いサポート体制にうれしい驚き!


きいちゃんは、就学相談では特別支援学校判定でした。そのため、「無事に特別支援学級に馴染んでくれるのだろうか…」「もし、馴染めなくて先生にご迷惑をかけたり、不登校になったりしたらどうしよう…」場合によっては、次年度は特別支援学校に転校しなければいけないかもと、実際に通い始める前は不安でいっぱいでした。

入学した特別支援学級は当時、2クラスあり全員で8人。きいちゃんはダウン症という障害ですが、いろいろな障害がある子どもたちが在籍していました。中には、「どうして君がいるの?」という、私からは定型発達にしか見えないクラスメートもいました。

入学して驚いたのは、きいちゃんが通う特別支援学級は生徒8人に対して担任の先生が2人なのですが、「SA(スタディアシスタント)」という担任以外にも生徒を補助する先生もいらしたことです。そのSAの先生が3人、担任が2人と合計5人の先生で8人の生徒をみていくスタイルでした。


これはうれしい驚きでした。特別支援学校の手厚さ(生徒2人に対し先生が1人つく)は知っていましたが、その体制とそんなに変わらないのではないかと思いました。
(注:ここら辺はもしかしたら、通う学校や地域によって変わるのかもしれません。)

そして、きいちゃんの学校生活は案外早く知ることができました。

入学して2週間後に早速、授業参観があったのです。

きいちゃんは落ち着いて席についているかな…と心配しながら教室に入ると、なんとSAの先生に抱っこされて椅子に座っているきいちゃんが…!!!

特別支援学級に通うダウン症小1息子、授業参観で脱走!奇声!それでも「入れて良かった」と思った理由

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授業中に隣の席の子と大合唱&脱走!


きいちゃんが落ち着いて椅子に座れないからどうやらその体制で授業をして下さっているみたいでした。(先生申し訳ありません…!)
そして授業が進んでいくと…隣の席の女の子が、いきなり大声をあげました。なかなか落ち着く様子はありません。
それはいいのですが、それに呼応するようにきいちゃんも大きな声を出し、2人で大合唱!!

特別支援学級に通うダウン症小1息子、授業参観で脱走!奇声!それでも「入れて良かった」と思った理由

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そして、その女の子がいきなり教室を脱走しました。すると何を思ったか、きいちゃんも一緒に脱走…!!

特別支援学級に通うダウン症小1息子、授業参観で脱走!奇声!それでも「入れて良かった」と思った理由

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幸いすぐに先生方が連れ戻してくださいましたが、早速やらかしているきいちゃんに、私はドキドキでした。

その後は授業の工作も無事に進み、上手にできた桜のちぎり絵を「ほらっ」と誇らしげに私に見せてくれました。

特別支援学級に通うダウン症小1息子、授業参観で脱走!奇声!それでも「入れて良かった」と思った理由

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ダウン症がある息子にとって安心して過ごせる場所に


きいちゃんの問題行動はいろいろありましたが(汗)、その都度、先生方がカバーしてくださり、きいちゃん自身はのびのびと授業を楽しんでいました。

きいちゃんだけではなく、ほかのお子さんも同じように、先生方が一生懸命に子どもたちをサポートしてくださっている様子が分かり、とてもありがたかったです。

そして、小学校に入学して一番意外だったのは、保育園時代は教室の中に入りたがらなかったり、ポツンと孤立してしまい寂しそうな姿を見せることが多かったきいちゃんが、とても楽しく学校に通ってくれるようになったことです。

きいちゃんの通う特別支援学級のクラスでは、年は違いながらもみんな仲がよく、とても団結しています。
とくに上級生の男の子が、きいちゃんともう一人の新入生を可愛がってくれてとてもありがたかったです。

先生方も、子どもたちの小さな成長を見逃さず、共に喜び、励まし、応援してくださっています。本当にありがたい限りです。

きいちゃん自身も「ここは僕がいていい場所なんだ」と、とても安心して過ごせる場所になっているように見えます。

全て先生方の献身の上になりたっていますが…(汗)

さて、そんなきいちゃんが2年生ではどうなったかというと…?

その話は、またの機会に書ければと思います。執筆/星きのこ

(監修:鈴木先生より)
私の外来でも、診察の為に子どもの患者さんを抱っこすることはよくあります。
今回のエピソードについては、クラスの雰囲気もよいということですし、抱っこまでしなくても近くで寄り添ってあげることで一人で座っていられた可能性もありそうですね。
学校やクラス内の環境がいいとみんなでサポートし合うようになりますので、先生だけではなく、年上のお兄さんやお姉さんが面倒を見てくれるという場面も増えてくるのではないでしょうか。

コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。
ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

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