ASD息子、夏休みの宿題は毎年地獄絵図!?「今年こそダメかもしれない」を乗り越えてきた家族の軌跡
夏休みの宿題、どうしていますか?
Upload By 丸山さとこ
夏休みは期間が長いだけに出される宿題の量も多くなりがちですが、みなさまのご家庭では間に合っていますか?わが家は毎年「今年こそダメかもしれない…」と思いながらギリギリ何とか間に合わせています。
間に合っているという結果だけを見れば大丈夫そうですが、途中経過は地獄絵図の様相になるのがお決まりです。
夏休みの宿題提出は毎年(主に私の)精神をすり減らすイベントとなっております。
ASDとADHDがあるコウは普段から宿題の進み方にムラがあり、プリント1枚が5~10分で終わるときもあれば、3時間かかって5問しか進まないこともあります。
後者の状態のコウがいくら宿題に時間をかけても疲れるばかりで進みません。コウが真面目に取り組んでいる場合はコウが自分自身にイラつきますし、コウの意欲が低いときには私が「やるか休むかどっちかにしない?」と言いたくなってしまいます。
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そのため、毎日1回は机に向かってみることを心がけてもらいつつ、比較的コウのコンディションが良さそうな日に少しずつ進めるようにしています。
宿題がサクサク進むときは滅多にない!(そして続かない!)
夏休みの大量の宿題は、『比較的コウのコンディションが良さそうなとき』に自然に進む分だけでは到底提出日には間に合いません。
7月中に夏休みの宿題が5分の4くらい終わっているのを見て「順調に進みそうかな?」と油断していると、それ以降はほぼ何も進まないまま8月の最終週を迎えることになります。残った5分の1の宿題は、彼にとって『たくさんある宿題の中でも特に負担を感じて後に回したくなる宿題』だからです。
提出日までに宿題を終わらせるためには、あまりコウ本人にやる気が無さそうなときであってもだましだまし(?)進める必要があります。
コウのコンディションがよくないときは、ちょっとしたことでやる気を失ったり気が散ったりしてしまいます。
そのまま無理に進めると嘆いたり絶望したりし始めてさらに宿題のスピードが落ちてしまうため、あの手この手で机に向かわせて1問でも進むようにしていきます。とはいえ、『あの手この手で』というほど豊富な手数はなく、その少ない手数も普遍的な効果があるわけではありません。
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手数の中には「頑張ってるね」などの短いポジティブな声かけや、「机に向かっているね」などの『よい行動を、評価を付け加えずに事実のまま伝える』などの方法があります。
そんなベーシックな方法であっても、「頑張ってるね」と言われて張り切るときもあれば
「全然こんなんじゃダメだよ!」と怒りだすときもあります。
「机に向かってるね」と事実をそのまま口にしても、「そうだよ~」と笑顔のときもあれば、「でも全然進まない…こんなの座ってても意味ない…」と落ち込んでしまうときもあります。
『む…むずかし~!』と思いつつ、「そっか~、全然進まないと疲れちゃうね」と無難な共感を示して「そうだよ~疲れるんだよ~」と言うコウの愚痴聞きタイムにつなげたりして、低空飛行なりに机に向かう時間を維持する手伝いを心がけています。
「宿題は絶対に出さなければいけない!」と言いたいところだけれど
そうして少しずつ宿題を進めていっても、大抵毎年最後はギリギリになります。大半の宿題が終わったとしても、苦手な宿題はとても時間がかかるからです。
はたから見ていると『これはもう今からかなり必死で進めないと間に合わなさそうだな』と思う状況であっても、コウなりのペースで進めるしかありません。そのため、夏休みの終盤は毎年私と夫の忍耐力が試されています!
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「このペースでいくと提出日には間に合わないよ」「あとこれくらい残ってるけど、どうする?今からやる?」と現状を突きつけて追い込むと、コウはやる気を失うかパニックになるかボーッとして止まるかのどれかになり、大体の場合事態は悪化していきます。
私自身もそんな彼の反応にグッタリと疲れてしまうため、追い込まないように気をつけつつ『事実の確認と共有』のみできるだけ淡々と行うようにしています。
事実の確認と共有をしながら『宿題の提出日までに終わらせる』を基本方針としつつ、コンディションなどの状況とすり合わせて何とか進めていった結果、たまたま間に合ったのがこれまでの夏休みだったのだろうと思います。
いつか、『間に合わなかった夏休み』も起きてしまうのかもしれないな…と思っています。
そのときはそのときで、その結果をコウがどう受け止めるのかを見て、一歩ずつ対策を探していけたらいいなと考えています。
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執筆/丸山さとこ
(監修:初川先生より)
コウくん、そしてさとこさん、夫さんの夏休みの宿題をめぐる奮闘・工夫のシェアをありがとうございます。
夏休みの宿題は「計画的に毎日少しずつ」というのが王道の助言としてありますが、取り組みやコンディションにムラのあるお子さんにとっては、その王道のやり方をさらにお子さんに合ったものに変えたり、あるいは、やり方は変えずとも(1問でいいからやるという方針だけは維持しつつも)、そばで見る保護者が覚悟を決めて臨んだり(自分の焦りを子どもにぶつけない)という工夫が必要になりますね。
なかなか計画的にはいかないということを、実際どう運用しているのかのこうしたエピソードで、きっと安心する読者の方、仲間だ!と感じる読者の方も多くいらっしゃると思います。夏休み、大人にも子どもにとっても「楽しい」だけとは限りませんね。それなりの着地をめざしてぼちぼち進んでいけたらいいですね。
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。
現在は下記の表現になっています。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如・多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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