子育て情報『【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説』

2023年9月25日 16:15

【精神科医・本田秀夫】イラつく母の「誰が汚れた服を洗うと思ってるの?」に、「洗濯機」の返答!?場の空気が読めない子への対応を解説


「特性=障害」とはならない

まずはみなさん、「発達障害」という言葉はすでに知っていると思いますが、これにはいくつか種類があって、大きくは次の3つです。

1.自閉スペクトラム症(ASD)
2.注意欠如多動症(ADHD)
3.学習障害(LD)

今回は、なかでも1.自閉スペクトラム症(ASD)について取り上げていきます。

なぜなら、「自閉スペクトラム症」の特性やコミュニケーションがとりわけ理解されづらく、「普通、分かるでしょ?」というのが、分からないタイプの子たちだからです。

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なお私は「発達障害」は病気というより、「少数派の種族」のようなものととらえています。

また、「特性=障害」とはならないため、障害(Disorder)を除いて、「自閉スペクトラム(AS)」、「注意欠如多動(ADH)と呼んだりもします。このコラムのなかでも、以降は『マンガでわかる発達障害の子どもたち 自閉スペクトラムの不可解な行動には理由がある』と同様に「自閉スペクトラム」と呼んでいきます。


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自閉スペクトラムの特性のあるお子さんは、園や学校での集団活動で、周りとペースが合わないこともあります。そんなお子さんのことを理解してもらうために、今回は、直観的に理解しやすいマンガをまじえてお伝えしていきます。


皮肉や言外のメッセージが通じない

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このマンガで親が言いたいのは、「誰が洗うと思ってんの?(洗うのはあなたじゃなくてお母さんでしょう?こんなに汚してしまったら、お母さんは大変なのよ。ケロッとした顔をしていないで、少しは反省したところを見せなさい)」というようなことですよね。そのような「含み」を込めて、「誰が洗うと思ってんの?」と問いかけているわけです。

ところが子どもは、その一切合切の含みがわかっていない。申し訳なさそうな態度をとるわけでもなく、服を洗うのは「洗濯機」だという事実だけを答えています。


遠回しな注意より、世渡り術やこぼさないコツを

おそらくこの子には自分がとがめられているという認識がありません。


このようなやりとりは、自閉スペクトラムの特性がある子によく見られることで、私たち支援者にとっては「あるある」です。子どもはふざけているわけではないので、反論したり叱ったりしないで、マンガのようにおだやかに受け止められたら理想的だと思います。

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