【精神科医・本田秀夫】これって発達障害?過集中なのに気が散りやすい…分かりづらい特性の重複と強弱とは【マンガで分かる】
当てはまる特性とそうではない特性がある……。これって発達障害なの?
「もしかしたら発達障害かもしれない?」と思って調べても、当てはまる特性とそうではない特性がある、ASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)の特性に少しずつ当てはまるけれどどっちなの?と思われたことがある方は多いのではないでしょうか。
なぜそのようなことが起こるのでしょうか。
発達障害を理解するには、具体的なイメージをもつことが大切です。以下のケースの男の子は発達障害に該当するでしょうか?また、発達障害だとしたら、どのような診断がつくでしょうか?一緒に考えてみてください。
ケース:時間にルーズな小4の男の子
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小学4年生の男の子の例です。
ゲームが大好きなのですが、ゲームで遊び始めると、友達との約束や宿題をやる時間、寝る時間などを忘れて熱中してしまいます。寝る直前になって宿題をやり始めても、疲れているのでそう簡単には終わらず、翌日は寝不足となって授業にも集中できなくなります。
ただし、教室のルールを厳守しすぎる傾向があり、ルール違反をした友達を注意するという面もあるそうです。
ゲームの時間は1日〇時間と決めても、1日しか持ちません。また、この子の場合、ゲームにだけ集中しているのかというとそうではなく、プレイ中に気が散って、ゲーム機の電源をつけたままほかの遊びを始めることがあり、ゲームへの情熱にもむらっ気がみられます。
さて、この男の子には発達障害があるのでしょうか?
ADHD(注意欠如多動症)?ASD(自閉スペクトラム症)?
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男の子には「活動の切り替えが苦手」「用事を忘れてしまう」「気が散りやすい」という特徴がみられました。このことから、ADHD(注意欠如多動症)の特性の可能性があるのではと考えられます。
また、ケースをよく読むと、ゲームをやり続けるこだわりや教室のルールを厳守しすぎる律儀な面もみられます。こうした面に加え、ASD(自閉スペクトラム症)の特性である対人関係の困難さが見えるならば、ASD(自閉スペクトラム症)と診断される可能性もあります。ちなみに、これらは特性によって生活上の支障が生じた場合「診断」されます。
このように発達障害の人の一部は、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如多動症)