子育て情報『「特性を検査する」ってどういうこと?【LITALICO発達特性検査監修者・井上雅彦先生インタビュー】』

「特性を検査する」ってどういうこと?【LITALICO発達特性検査監修者・井上雅彦先生インタビュー】


特性を具体的な行動に読み直していく

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Upload By LITALICO発達特性検査 編集部

特性に着目することの意味は、それを「具体的な行動に置き換えて支援の対象にできる」ということにあります。

よく保護者さまからの相談で、「うちの子は、わがままなのか障害なのか、どちらでしょう」と聞かれることがあります。「わがままだったらやめてほしい」と感じていることがあるけれども、「特性による障害だったら仕方がないかな」と考える保護者さまも多くおられます。わがままなのか、障害なのか、はっきり分けることが難しいと関わり方もそれでいいのか不安になることもあるでしょう。そうやって迷いながらお子さまと接することはかなりストレスになったり、うまくいかなかったりでつらい状況になることも多いでしょう。

でも、「こういう特性があるな」ということに気づいて、それが出やすい状況を客観的に捉え直し、改善することで、その子が困る状況を減らし、結果的にできることが増えていきます。一つひとつの行動は環境との兼ね合いで変わっていくからです。

一つひとつの困りごとは、その特性やどんなことに困っているかということについての気づきがあって、環境とのマッチングを修正することで改善することも多いのではないかと考えています。


このような環境の調整は、最初の取り組みとして大切です。

もう一つ、「特性だったら、変えられないのでしょうか」と言う疑問や、「特性より何より、今困っているんです」と言う保護者さまの声もよく聞きます。変わらないのであれば、検査をする必要があるのか?あるいは、改めて今のつらい状況を確認する必要があるのか?悩まれる方もおられるかもしれません。

特性というのは、確かに持って生まれた場合もありますし、特性自体は変わらないこともあります。本人にとっては特性自体をコントロールすることが難しいというものも確かにあると思います。

でも、先ほどお話したように、特性は変わりにくくても、そこから生じる行動や環境にアプローチしていくことができます。そのためには、特性という概念の中から、一つの行動に着目していくことです。特性を具体的な行動に読み直していくといいと思います。


困っている行動や、その子の行動傾向を一つ見つけたら、その行動に対して適切な対応方法を考えてやってみる。ちょっと例を挙げて考えてみましょう。

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