検査結果を「わが子の特性と支援をまとめた1冊の本」として【LITALICO発達特性検査 監修者・井上雅彦先生インタビュー】
書かれている内容が、当てはまるところも一部あるけれども、ほとんど当てはまらないという人もいる。
自分でも、書籍を書くときには、その点が悩ましいことでもありました。もっと一人ひとり本人に合うように書いてあげたいけれども、書籍だと、どうしても限界がありますよね。フリーサイズで書くしかない。
たくさんの書籍の中から選んでもらって、さらにそれを何冊も読んだ中から、読者の方に情報を取捨選択してもらわないと、自分の子どもの特性を理解することは難しい、ということになります。自分でカスタマイズしてもらう必要があったと思うのです。
それが、LITALICO発達特性検査では、質問項目に答えることで、アルゴリズムで必要な情報にカスタマイズしてオーダーメイドの「本」に仕立ててくれる。そういうイメージで捉えると、親子の困りごとに向けた「本」ができる、今までにないようなサービスだと思っています。
もちろん、書籍は一般的な知識や専門的な内容を網羅的に得るために、とてもいいと思います。支援法や考え方もたくさんあるので、それぞれ読むことでヒントが得られることも当然あると思います。実際に検査を受けたあと、理解を深めるために書籍も併用していただくといいと思います。
一般的な心理検査は、結果が大体A4くらいのレポート1枚にまとめられて渡されるというのが多いかもしれません。検査を実施している機関によっては、直接内容の説明を口頭でしたり、補足の内容をもらえることもあると思いますが、レポートとして詳しく伝えるというイメージではないですね。特に、結果を受けて、次の日から家庭でどう対応したらいいかという情報は、レポートだけでは、ほとんど触れられていないですし、専門家ではない保護者の方が自分で読み解いて情報を得るのは少し難しいかもしれないですね。保護者の方が読んで理解しやすくてすぐに役に立つためというよりは、専門家が評価して支援に役立てることを目的にしているということが前提にあるからです。
こういった点から、保護者の方が具体的にどうするか、今できることは何かを見つけるという観点では、なかなか心理検査の結果だけでは足りないこともあるのではないか、と感じることもあります。
LITALICO発達特性検査は、インターネットで気軽に受けて、その結果がフィードバックされるサービスです。名称に「検査」とついていますが、これまでの心理検査とはちょっと違って、フィードバックに重点が置かれていることが特徴です。