3歳児健診で発達の指摘、小中学校期を経て今思うことは…【発達ナビ10周年企画コラム1/丸山さとこ編】
2026年1月で発達ナビは10周年!ヒットコラムで振り返る発達ナビ。第1回は「丸山さとこ」さんです
2026年1月、発達ナビは10周年を迎えます!サイトがスタートした2016年から10年の間に、会員数は45万人を越え、たくさんの方に訪れていただけるサイトになりました。
今回は発達ナビ10周年企画として、2020年以前から連載を続けてくださっているコミックエッセイライターの皆さんのヒットコラムとともに、お子さんの成長を振り返っていただきます。第1回は2019年から連載開始した「丸山さとこ」さんです。
さとこさんと息子のコウくんは2人ともASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断されています。どんな出来事があったのか、未就学編・小学生編・中学生編と年代別にコラムをご紹介します。
【未就学編】「発達障害の可能性が高いです」とキッパリ言われた3歳児健診
乳幼児健診にて「コウくんに発達障害の可能性があること」をやんわりと伝えられたものの、当時のさとこさんは「コミュニケーションに不安があること」や「人に興味を示さないこと」が何を意味しているのか、よく分かりませんでした。
しかし、3歳児健診で「発達障害の可能性が高いです」とキッパリ言われ……。さとこさんがコウくんを通してどのように発達障害のことを知っていったのか、そして障害の受容についての前後編コラムです。
(執筆者:丸山さとこさんより)
今の私が3歳児健診の頃のコウを見たら、神経発達症の可能性を考えたかもしれません。当時の私も凸凹があるらしいことには気づいていたものの、「得意不得意の範囲だろうな」と考えていました。
これは『当時の私よりも今の私の方が客観視できているから』という理由もあると思いますが、それ以上に、知識量の差による視点の違いが大きいのではないかと思います。当時は今ほど情報もなく、地方の書店に置かれた本に目を通すくらいでは、そう多くの知識は得られませんでした。
今は多くの情報を得やすくなった分、返って偏見や先入観を持つ人も増えたのではないかと感じることがあります。それでも、知識や療育の機会を得ることで楽になる親子が増えた面もあるだろうと思っています。
【小学生編】ルールを守れずついゲーム。衝動性の高さ……どうする!?専門家に聞いてみた
発達ナビでは専門家と連載ライターさんが子どもの困りについて直接対談をする「専門家に聞いてみた!」コラムも制作しています。
コウくんは、その特性から理屈では理解していることでも「ついやっちゃった」「何となく」と衝動性で動いてしまうことが多く、振り返りをするときは「分かんない……気がついたらこうなってた……」と言って考えが止まってしまうこともしばしばあるとのことでした。
このような衝動性の高さに対してどう捉え、どう対処していったらいいのかというテーマで児童精神科医の三木崇弘先生と対談を行いました。
(執筆者:丸山さとこさんより)
三木先生がおっしゃっていた「衝動性って本質的にはもう、前頭葉の発達待ちみたいなところがあると思うんですよね」という言葉を実感しているこの頃です。年齢が進むにつれて、息子なりに衝動性をコントロールする力がついてきているのを感じています。
一方、各年齢に応じたセルフコントロール力を身につけているかというと、そこは不十分と言わざるを得ないだろうと思います。中学生の頃のコウのまま小学生として過ごせたら、トラブルもぐっと減り、コウ本人も楽に過ごせることでしょう。
コウなりに成長していくことと、周囲の環境との兼ね合いは難しい面もありますが、「良くも悪くもずっと同じ状況は続かない」ということを忘れずにいたいと思っています。
Upload By 発達ナビ10周年企画
子どもの発達に悩んだ時、専門家の意見が直接聞けることは安心につながりますよね。発達ナビでは専門家から個別アドバイスが届く「発達ナビPLUS」を2020年にスタートしました。
支援経験豊富な専門家が、保護者のお困り内容を整理し、お子さんの発達状況や環境情報などの分析と、分析に基づく個別最適な手立てをアドバイスします。
【中学生編】中学生になっても学校の課題提出を忘れがち。内申点は大丈夫なの!?
中学2年生になったコウくん。その特性から学校の課題提出を忘れがちな日々を送っていました。高校進学のために内申点を上げたければ提出物は避けて通れず、さとこさんも頭を悩ませていました。個人面談でも「課題の提出状況に波がある」と先生から指摘され……。『必ずやらなきゃいけないことは具体的な対策を』と親子で考えたアイデアは思春期のお子さんへの対応の参考になりそうです。
(執筆者:丸山さとこさんより)
提出物に関しては中学を卒業するまでずっと悩まされ、内申点でも苦労しました。とはいえ、今から振り返れば「少しずつ提出できる量は増えていったんだよな~」とも思います。
3年生の2学期で再び忘れ物が増えてきたときも先生方が協力的でいてくださったのは、3年生の1学期までコウなりに頑張ってきたことが伝わっていたのかもしれません(先生方が凄く根気強く、寛容で熱心だっただけの可能性も高いです!)。
丸山さとこさんにとって発達ナビとは?
発達ナビ10周年、おめでとうございます!息子のコウが保育園児から高校生へと成長していったこの10年の間に、障害がある子どもとその保護者を取り巻く環境が少しずつ変わってきたのを感じています。コラムを書かせていただく中で、改めて調べて「今はそうなんだ⁉」と思うこともしばしばです。
息子のコウ自身の変化に加えて彼の周りの状況もどんどん変わっていく中で、新しい情報や体験談が得られる発達ナビは私にとってありがたい場所です。これからも長く、交流や情報発信の場として在り続けることを願っています。発達ナビ様の益々のご発展をお祈り申し上げます!
その他、丸山さとこさんのコラムはこちらから
(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。
神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。
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