愛あるセレクトをしたいママのみかた

ここでは孤独じゃない。リアルなお役立ち情報、心の拠り所「発達ナビ」10年の歩み【もうすぐ開設10周年】

LITALICO発達ナビ

盛り上がり過ぎ!?


LITALICO発達ナビは『発達が気になる子どもを持つ保護者のためのポータルサイト』と銘打ち、ユーザー参加型のWebサイトとし2016年1月にオープンしました。

ここでは孤独じゃない。リアルなお役立ち情報、心の拠り所「発達ナビ」10年の歩み【もうすぐ開設10周年】

Upload By 発達ナビ10周年企画

Webサイト内には『コラム』『Q&A』『コミュニティ』などのサービスがあり、中でも『コミュニティ』はサービス開始後、非常に盛り上がりをみせた機能でした。

コミュニティルームは発達ナビ会員(以下、ユーザー)であれば誰でも開設することができます。
趣味について語り合ったり、同じ年頃の子どもを持つ親同士が悩みを打ち明けたり、1人語りや自身で撮影した写真を投稿したりなど、内容は多岐に渡りました。24時間いつでも書き込めるので、発達ナビ開設当時、中にはオールナイトで交流していたコニュニティもありました。

社会ではマイノリティ(少数派)である『障害のある子どもを持つ保護者』は、このWebサイトではマジョリティ(多数派)です。『コニュニティ』は、それまで周囲になかなか理解してもらえない苦労があり、肩身の狭い思いをしてきたユーザーの憩いの場になったのだと思います。

“ユーザーが楽しんで元気になる”という意味では、大成功の機能でしたが、ちょっとハマり過ぎてしまった人もいたかもしれません(笑)。


私もその波に乗りました(笑)


さすがに徹夜はしませんでしたが、私も『コニュニティ』を楽しんだクチです。発達ナビ開設当時は、ライター同士の交流もあり、お互いのさまざまなことを共感しあったり、時には愚痴を言い合ったりもしました。

ここでは孤独じゃない。リアルなお役立ち情報、心の拠り所「発達ナビ」10年の歩み【もうすぐ開設10周年】

Upload By 発達ナビ10周年企画

Q&Aでも「このグッズがうちの子には合った」とか「こんな時、うちではこんなふうにしている」といった目からウロコの体験談に、私もしばしば助けられました。

ダイアリー機能の登場


その後、新たな機能として『ダイアリー』がリリースされました。

これは私のイチオシ機能です。なぜなら子どもの成長記録は、サポートブック作成時や転院時、障害年金申請時に必要になるからです。時が経つと記憶は曖昧になってしまうものです。特に服薬の記録は大切なのでぜひ記録に残しておいてほしいと思います。


この機能ができる前、私は子育ての記録をノートに手書きしていました。
コラムを書く際にはそのノートを読み返すのですが、記録と日記と投薬メモが混じっているので読むのに時間がかかります。
その点、このLITALICO発達ナビのダイアリー機能はカテゴリーを分けて記録ができるのでとても便利です。

「公開」「限定公開」「非公開」の選択も可能なので、私は心の中のモヤモヤを「非公開」にして書いたりもしています。

ユーザーさんの中には、ダイアリーのコメント機能をほかのユーザーさんとのやり取りに利用したり、ブログのように自身の体験談や考えなどを発信している方もいらっしゃいます。皆さん自分に合った使い方をされているようです。

新旧アイテムの良いとこどりを!


10年の間にLITALICO発達ナビだけでなく、発達障害児の子育てや、障害児・者を取り巻く環境や考え方はずいぶんと変わってきたと実感しています。

インターネット(SNS)が広く普及したことで、さまざまな情報が手に入りやすくなりましたし、便利なアイテムも増えました。


時計が読めなくても視覚で残り時間が分かり、視覚支援療育にも有効な『タイムタイマー』は、今ではスマートフォンのアプリなどでも代用が可能です。

ここでは孤独じゃない。リアルなお役立ち情報、心の拠り所「発達ナビ」10年の歩み【もうすぐ開設10周年】

Upload By 発達ナビ10周年企画

スマートフォンのリマインダー機能も皆さんもよく使われていると思います。

電車の中や病院の待ち合待ち合い室などで、じっとしていられないお子さん対するスマートフォンやタブレットでの動画視聴も私は良いと思っています。

お互いのストレスを減らすためのアイテムは多い分に越したことはないですものね。

発達障害のあるお子さんは、ひとり遊びが多かったり、周りが働きかけても思ったように反応してくれないことが多いと聞きます。

私の娘も小さい頃は抱っこや手繋ぎ、集団リトミックなどが苦手で幼児教室や育児サークルに参加できませんでした。でも、療育センターの集団リトミックプログラムは水を得た魚のように楽しんでいました。そこでは昔ながらの手遊びや歌、紙しばいや絵本が多く用いられていました。
昔ながらの遊びには子どもの心や体にうったえる何かがあるのかもしれません。
大切なのはマッチング、フィーリング、タイミングだと思うので、一度ダメだったからとあきらめず『昔ながらのもの』『最新のもの』『それらをミックスしたもの』に何度もチャレンジするのが大切なのかなと思います。

私が「LITALICO発達ナビ」に願うこと


LITALICOジュニア(旧Leaf)会員限定サイトだった『ふぁみえーる』が、誰でも参加できる『LITALICO発達ナビ』になったことで、訪問者が増え注目度も上がりました。保護者だけでなく当事者や支援者など、さまざまな立場の方が参加するようになり、新たに規約なども作られました。

私は当時の編集長さんに「LITALICO発達ナビは保護者のためのWebサイトなのか」質問したことがありました。

その編集長さんは「障害のあるお子さんもいつかは大人の“当事者”になります。保護者の方が“当事者”の場合もあります。メインのユーザーは保護者さんですが、当事者の方々からの意見や経験・情報も長い目で見れば子育ての役に立つと思います。
なのでユーザーの限定はしていません」と仰っていました。

編集部注:その後、成人当事者を対象とする記事なども掲載するWebサイト「LITALICO仕事ナビ」が2018年に生まれました。

https://snabi.jp/
LITALICO仕事ナビ

『ふぁみえーる』時代からのユーザーの方々の中にはルールの変更や、雰囲気の変化に戸惑いを感じ、Webサイトを卒業された方もいらっしゃいましたが、価値観の多様化や時勢にあわせWebサイトがバージョンアップしていくことは良いことだと思っています。
『保護者やユーザーを元気にするWebサイトを目指す』という基本はそのままに、ユーザーの意見を取り入れながら“みんなでつくるポータルサイト”として、これからも変化・成長し続けてほしいと願っています。

小学生のお子さんを持つ保護者の方へ


お子さんが未就学の頃とは違い、小学生になると、定型発達のお子さんとの違いがよりはっきりと見えてくることがあります。その中で、障害のあるお子さんやその保護者の方にとっては、思い悩む時期になることもあるかもしれません。

発達ナビを訪れる保護者の方の中には、お子さんに合った関わり方や配慮を日々工夫されている方も多いのではないかと思います。私自身も、「ちょっとした工夫や配慮で、思っていた以上にうまくいくことがあるんだな」と気づかされる場面がありました。


実際、ほんの少しの配慮や工夫で、驚くほどスムーズに問題が解決することもありますし、「スモールステップなら、もう少しできるかも!」と感じる場面もあると思います。でもそのとき、お子さんが実はギリギリの状態でがんばっている可能性もあるかもしれません。そんなことを、少しだけ心の片隅に置いていただけたら……と思います。

親としては、つい「もう少しできるかも」と期待してしまうかもしれませんが、子どもが心身ともに疲れきってしまうと、その後の回復には思っている以上に時間がかかってしまいます。(私にも経験があります)。

『ちょっとした』工夫で、わが子が『余裕をもって』できるような状態が理想的なのかもしれません。

親だけでなく子ども自身も「まわりと同じように」と願い悩むケースもあるかと思いますが、学生時代は『皆と同じようにできること』を目指すのではなく、『本人の笑顔が増えること』を目標にして気持ちに折り合いをつけていけたら……と、私自身の子育てを振り返って感じています。

お子さんの人生は、義務教育を終えたその先のほうが、ずっと長く続いていきます。
お子さんを守りたい一心で、保護者の方が一人で頑張りすぎてしまうこともあるかもしれません。そんなときこそ、信頼できるプロの力を借りながら、“味方”を少しずつ増やしていけたらいいなと思っています。

中高生のお子さんをお持ちの保護者さんへのメッセージはまた次の機会に……。

執筆/荒木まち子

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

提供元の記事

提供:

LITALICO発達ナビ

この記事のキーワード