【精神科医・本田秀夫】「学校を休むなら家で勉強しなさい」はNG?私が考える不登校中の基本対応
不登校になったら、まずは休養と相談!
子どもが実際に不登校になったら、どうすればいいのか。不登校になったときの対応の基本は、まずは休養と相談です。
子どもが不登校になるときというのは、その子のなかで問題が最終段階になったときです。子どもはもう疲れ果てているので、休養をとる必要があります。まずは家庭を居心地のいい場所にしましょう。それに加えて、子どもが親や学校の先生に、気軽に相談できるような環境を整えていくことも必要になります。
休養にはいくつかの段階があります。心身ともに疲れ切っているときには、その疲れを癒すためにやりたいことを思う存分やって、エネルギーを蓄えるような時間がまずは必要になります。
そのときには子どもが一番好きなこと、例えばゲームをしたり、動画を見たり、運動をしたりといったことに時間を使います。
子どもが学校を休んでゲームをやっていたら、大人としては「授業をサボって、遊んでいるなんて」と感じるかもしれません。その気持ちも分かりますが、不登校になるくらいに消耗した子には、ゲームでも動画でも好きなことに没頭する時間もある程度は必要です。
エネルギーが回復してくると、子どもはゲームや動画などに少し飽きて、ほかのことにも目を向けるようになるかもしれません。一人で遊んでいるのも楽しいけれど、ちょっと出かけたりもしたい、誰かと何かをしたい、という気持ちも湧いてくるのです。これが次の段階です。
子どもがゆっくり休んで落ち着いてきたら、少しずつ、休日に家族で遊びに出かけるなどに誘ってみましょう。ただ、不登校になったときには、親子関係がギクシャクしがちです。
遊びに誘っても、子どもが応じない場合もあります。その場合には、家で一緒におやつを食べるような軽いやりとりに誘ってみて、親子関係を少しずつ回復させていくのもいいと思います。
子どもが元気になってくると、すぐに「じゃあ少しは勉強しよう」「そろそろ学校に行ってみよう」とうながす人もいますが、休養は段階的に進むものです。まずは一番やりたいことをやる。少し回復してきたら、次にやりたいことを始める。一足飛びに先へ進むことはできないので、じっくり対応していきましょう。
十分に回復してくると、子どもの興味や意欲が出てきて、本人が友だちや学校のことにも関心を向けるようになってきます。例えば、子どもが久しぶりに友だちと会って遊んだときに、今後の学校行事の予定を聞いてきて、「この日は行ってみようかな」