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【進路選択】「自分にはできない」と涙した日も。脳性麻痺・知的障害のわが子に自信を持たせたい!小中一貫の特別支援学級への進学とその後【読者体験談】

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「自分にはできない」とこぼした息子との日々


  • 脳性麻痺・軽度知的障害(知的発達症)のあるお子さんの就学先(通常学級・特別支援学級)での葛藤
  • 学校見学や情報収集で重視したポイント
  • 「成功体験」を優先した学校選びの具体的な理由
  • 自己肯定感が育まれた結果に見られた、お子さんの前向きな変化


お子さんのプロフィール
  • 年齢:13歳
  • 診断名:脳性麻痺による体幹機能障害、軽度知的障害(知的発達症)
  • 診断時期:2歳、7歳
  • エピソード当時の年齢:就学前〜小、中学校時代

息子は0歳から地域の保育園に通っていました。成長していくうちに、発達の遅れが目に見えて分かるようになり、お友だちとの差はどんどん広がっていきました。保育園ではできないことも多く、本人にも「自分にはできない」という意識が幼いながらに生まれていたようです。実際、そう言葉に出すこともありました。そんな息子、そして親にとっても、小学校への入学はかなり高いハードルでした。
当時、進学先の選択肢として考えていたのは以下の4つでした。

  • 肢体不自由特別支援学校
  • 保育園のお友だちの多くが進学する地域の小学校の通常学級
  • 近隣にある小中一貫校の通常学級
  • 近隣にある小中一貫校の特別支援学級

将来、就労などで多くの定型発達の方と関わることになることを考えると、早い段階から定型発達の子どもたちと交流をしてほしい気持ちがありました。しかし、通常学級が息子に合った環境なのか……そこが懸念点でした。


通常学級でついていけるのか……就学先選びの大きなハードル


私は、小学校入学まで通っていた発達支援施設の先生方への相談、先輩ママさんから小学校のお話を聞くことができる会への参加――地域の通常学級と現在の学校には、息子を連れて学校見学にも足を運びました。

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「障害があることで『自分はできない!』と嘆くのではなく、『自分にもできる!』という成功体験の中で成長してほしい」、これは何より願っていたことでした。

歩くこともままならなかった息子。運動会で走ったり、ダンスをしたり、遠足で歩くことにさえ抵抗感を持っていたこともありました。また、解読不能な線を書き連ね、文字や数字の理解も難しく……そんな保育園時代の息子の姿を見ていたからこそ、「自分もやればできるんだ」という自己肯定感の中で成長してほしいと強く思うようになっていたのです。その視点で見学してみると、通常学級では難しいかもしれないと感じる場面がありました。通常学級の体験で体育に参加したのですが、息子は一人で体操服に着替えることができなかったのです。みんなと同じようにできない環境では、周りより遅れていく中で自己肯定感を育むことができないのではないかと思いました。


一方で、近隣の小中一貫校の特別支援学級では、見学時、担任の先生だけでなく介助の先生方もいらっしゃって、「大人の目」が多くあることに安心しました。また、1年生から6年生までが一緒に過ごす環境の中で、例えゆっくりでも、子どものペースで教え、教えられて成長していけるのではないかと感じたのです。

わが家の進路選択。小中一貫校を選び、入学後に感じた想い


いろいろと考えた結果、わが家は小中一貫の特別支援学級を希望しました。送り迎えが必須で子どもと一緒に歩くと当時の居住地からは30分ほどかかりましたので、学校の近くに転居もしました。

将来、社会の中で過ごすための学びを9年間で身につけてほしいというのも、この小中一貫校を選択した理由の一つでした。
保育園では、必ず加配の先生が補助についていました。しかし、特別支援学級では、マンツーマンの補助は難しいので、補助なしで果たして学校生活を送ることができるのか、受け入れていただけるだろうかと不安もあったので、入学が決まった時は本当にほっとしました。

息子は小学校に上がってからも、他者と関わることが好きなあまり、相手の気持ちを考えずしつこくしてしまうことがありました。
その結果、相手に拒絶されたり、時には手を出されたりすると、息子もやり返してしまい、学童やクラスでトラブルに発展することも。トラブルが起きた際には本人の気持ちも高ぶっていましたが、落ち着きを取り戻すと「いけないことをしてしまった」と自覚している様子でした。家庭では、本人から状況を説明してもらい、気持ちを受け入れたうえで、「やっていいこと、いけないこと」の区別や、相手の気持ちを考えることの大切さを日々話し合い、学校と連携をしました。

先生方は息子がクラスメイトとトラブルになった際にも頭越しには怒らず、都度息子やクラスメイト双方に理由を聞くなどして丁寧に対応してくれて、これもこの学校を選んでよかったと思いました。

「なんでもチャレンジしてみたい!」自信が育んだ前向きな姿勢


さまざまな経験をしながら6年生になった息子。そのまま中学校も変わらぬ環境で過ごすことのできる、小中一貫校の特別支援学級に進学しました。

小学校と中学校の特別支援学級同士で交流があったこともあり、本人は自然と同じ学校に進学できると受け入れていたようです。「中学に行ったらテストがあるって。
0点だったら、どうしよう」と笑って話すなど、中学進学を楽しみにしている様子が伝わってきました。中学校に入学してからは、いろいろなことに前向きにチャレンジする姿勢がさらに生まれました。中でも学校行事を前にしたときは、懸命に練習を重ねる姿が見られ嬉しく思いました。今までは「怖いから」と乗らなかった飛行機にも、「なんでもチャレンジしてみたい!」と言って挑戦したり、キャンプに参加するなど積極的な活動が増えています。

小学校入学時に願った「成功体験」は息子にたくさんの自信を与えてくれました。
  • 運動会で通常学級のお友だちと一緒にダンスを踊った
  • 組体操ができた
  • 学習発表会で自分の役割を果たすことができた
  • 宿泊型の校外学習の経験ができた
  • 漢字が読めるようになった
  • 簡単な計算ができるようになった

このような成功体験を通して、息子は自分に自信をつけることができ、その積み重ねが今、「なんでもチャレンジしてみたい」という前向きさにつながっていると感じました。

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自立に向けた「学びの場」として


息子には、「優しくて真面目、こだわりがやや強い」といった特性があります。現在の中学校生活では、その「真面目さ」は毎日少しずつでも勉強をするという姿勢に、「優しさ」は特別支援学級の小学生との交流で後輩たちを見守ったり、友だちを思いやる姿勢に表れているように思います。
そして「こだわりの強さ」は、時には少し譲れない頑固さとして顔を出すこともあります。

学校という小さな「社会」。勉強だけでなく、先生方をはじめとする目上の方や上級生、同級生、下級生といったさまざまな人たちとの関わり方を、息子なりに学んでいってほしいと願っています。親としての願いは、いつかは自立して生きていってほしいという点に尽きます。これからも息子の歩みを見守っていきたいと思います。

イラスト/鳥野とり子
エピソード参考/+Q

(監修:藤井先生より)
息子さんの特性を丁寧に理解しながら、日々の学校生活を支えてこられた親御さんのご努力が伝わり、とても心温まりました。「真面目さ」「優しさ」「こだわり」といった特性が、それぞれ学校生活の中で良い形で発揮され、少しずつ成功体験へとつながっていることは、息子さんにとって大きな自信になっていると思います。また、こうした成功体験が積み重なる背景には、親御さんの見守りと、園や学校の先生方との連携がしっかりできていたことも大きいと感じました。
安心できる大人たちに囲まれて、自分らしく歩める環境が整っているのは、とても素晴らしいことです。素敵なコラムをありがとうございました。

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

知的発達症
知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。
論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。

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