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「息子を嫌いになってしまう」危機を救ったペアトレ。「癇癪・切り替え」への向き合い方と親子の関わり方の変化【読者体験談】

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好奇心旺盛な息子と、通じない声かけ


  • ADHD(注意欠如多動症)やASD(自閉スペクトラム症)の特性による「癇癪」や「切り替えの難しさ」
  • 周囲からの指摘に傷つきやすい時期、親の自己肯定感をどう回復させるか
  • 同じ悩みを持つ親同士のグループワークで共有される、日常生活ですぐに実践できる具体的な工夫とアイデア


  • 現在の年齢:10歳
  • 診断名:ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)
  • 診断時期:3歳
  • エピソード当時の年齢:4歳


息子は小さい頃から好奇心旺盛で、気になるものがあるとすぐに確認したがります。声かけをしても思うように通じず、イライラが募る毎日でした。園では、したくないことがあると脱走したり、思い通りにいかないと癇癪を起こしたり。一般的な育児書にあるような方法では通用しない難しさを痛感していました。

当時の息子は寝つきが悪く、私は常に慢性的な睡眠不足。フラフラでつらい日々でしたが、「このままでは息子のことが嫌いになってしまう」「怒りたくない、育児を楽しいと思いたい」という一心で、オンラインでのペアレント・トレーニング(ペアトレ)受講を決めました。

「息子を嫌いになってしまう」危機を救ったペアトレ。「癇癪・切り替え」への向き合い方と親子の関わり方の変化【読者体験談】

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園ではダメ出しばかりだった私を救った「肯定」の言葉


全6回、3か月間の講座は、夫の休みに合わせて受講しました。睡眠不足の中で1回2時間の講義を受け、宿題を出すのは正直楽ではありませんでしたが、先生方のサポートが継続の助けになりました。
先生方は「こうすべき」と正解を押し付けるのではなく、「お子さんの場合はどうですか?」「伝え方をどう変えられそうですか?」と、こちらの意見を尊重して接してくださいました。

驚いたのは、宿題を出すとまず「提出したこと」自体を褒めてくれたことです。さらに「お母さん、お子さんの好きや行動をよく見ていますね!」というフィードバックもいただきました。園では指導やダメ出しを受けることが多かった私にとって、先生方の「肯定的な関わり」は、大きな救いとなったのです。

グループワークで得た、具体的で実践的な知恵


オンラインでのグループワークは、同じ悩みを持つ親同士、冷静に状況を共有できる場でした。ほかの受講者の方々が工夫している様子を知ることで、自分だけが苦労しているわけではないという安心感を得られました。

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宿題の共有では、「公共交通機関で子どもに見通しを持たせる工夫」など、自分一人では思いつかなかった具体的なアイデアを聞くことができました。また、宿題の内容も「今日すぐに試せること」や「その後の子供の変化」に焦点を当てていたため、余裕がない日常の中でも、無理なく実践に移すことができました。


行動の「背景」を理解し、褒めるポイントを見つける


ペアトレを通じて、子どもの行動に対する見方が変わりました。それまでは単なる「困った行動」に見えていたものが、実は「気持ちの切り替えの難しさ」や「見通しが立たない不安」から来ているのだと理解できるようになったのです。

わざと困らせているわけではないと分かったことで、息子の特性に合わせた工夫ができるようになりました。例えば、数字が好きな特性を活かして、次の行動に誘うときに楽しそうに数字を数え、実際に動けたときには「〇回で来られたね!」と具体的に褒めるようにしました。また、ごっこ遊びに興味を持ち始めた時期だったので、気が乗らない活動のときは「お店屋さん」に見立てて誘うといった工夫も取り入れました。

こうした関わりを実践すると、息子の表情が明るくなり、あんなに苦労していた切り替えの時間も短くなっていきました。褒めるポイントが明確になり、実際に良い行動につながることで、私自身のストレスも軽減されていくという良い循環が生まれました。

10歳になった今も続く、親子なりの試行錯誤


受講から数年経ち、息子は10歳になりました。
今でも、当時の「頑張った証」として修了証がほしかったと思うほど、あの3か月間は私にとって意義のあるものでした。

現在も、ペアトレで学んだ「なぜそうしたのか」「どう伝えれば伝わるか」を考える習慣は続いています。もちろん今でも怒ってしまうことはありますが、当時より褒める回数は劇的に増え、息子の困った行動も成長と共に確実に減ってきています。もし今、一人で抱え込んでイライラが止まらないと悩んでいる方がいたら、ペアトレという選択肢を考えてみてもいいかもしれません。子どもの気持ちの背景が見えるようになると、毎日の景色が少しずつ変わってくるはずです。

イラスト/keiko
エピソード参考/七転八起

子どもが寝てくれない、いうことをきいてくれない、おわらない癇癪、などが続いていくと親自身も気持ち的にしんどくなり、子どもとの対応の中で悪循環に陥ってしまいますね。当時大変な中で、よく相談されたと思います。ペアレントトレーニングの中では、実際のワークやお試しによって客観的に子どもの行動をみれるようになるというメリットもありますが、仲間からのアイデアや励ましも大きなヒントや原動力になっていくと思います。


プログラムが終わられたあとも振り返りを大切にされ、年齢とともに関わり方や褒め方も変化させておられるのはすごいと思います。こうしたプログラムをきっかけに地域の支援の情報を知ったり、つながりが続いていく仲間ができるといいですね。(監修:公認心理師井上雅彦先生)

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

神経発達症
発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。
知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。
※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。

ASD(自閉スペクトラム症)
自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。
ASDはAutism Spectrum Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如・多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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