【新連載】ひらがなが読めない長男と小3でつまずいた次男。LD・SLDの息子たちが社会人になるまでのわが家の歩み

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長男と次男に読み書きの苦手さがある5人家族のわが家

【新連載】ひらがなが読めない長男と小3でつまずいた次男。LD・SLDの息子たちが社会人になるまでのわが家の歩み

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はじめまして。ぴーたんです。このコラムを読んでくださってありがとうございます。
わが家は5人家族。夫と、3人の子どもたちで暮らしています。子どもたちはだいぶ大きく、長男の太郎(社会人4年目)、次男の次郎(社会人2年目)、末っ子の長女・花子(高校1年)です。

上の2人、太郎と次郎には「LD・SLD(限局性学習症)」があります。読んだり書いたりすることに、特別な難しさを抱えている子どもたちです。
「どうしてうちの子だけ読めないんだろう」「このまま学校についていけなくなったら」「将来、社会に出られるのかな」——そんな不安を抱えながら過ごした日が、本当にたくさんありました。

でも今、太郎も次郎も社会人として元気に働いています。当時あれだけ不安だったのに、ちゃんと道は開けるものだなあと、しみじみ感じています。そういうリアルな話を、同じように悩む保護者の方と分かち合いたくてSNSなどで発信してきました。このたびご縁をいただいて、LITALICO発達ナビで連載させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いします!

年長になってもひらがなが読めなかった長男。発達検査で見えてきた、太郎なりの「苦手さの背景」

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太郎が字が読めていないと分かったのは、保育園の年長の頃です。
年長になっても、ひらがなが1文字も読めませんでした。「そのうち読めるようになるでしょ」と思っていたけど、ならない。

「丁寧に教えれば覚えるはず」と取り組んでみたけれど、覚えない。小さい頃から絵本を定期購入し、読み聞かせもしてきたのに……。

当時盛んだったインターネットの育児コミュニティで相談してみたら「覚えないのは保護者の怠慢」と言われてしまい、市販のひらがなカードを使ったり、家のあちこちにひらがなを貼ったりと、思いつくことをすべて試しました。それでも一向に読めるようにはなりませんでした。

保育園に相談し、療育センターで発達検査を受けてみたところ、「情報を一時的に記憶して処理する力(ワーキングメモリ)」などの指標に偏りや苦手さがあることが分かりました。当時、センターの方からは、「こうした脳内の情報の処理や記憶の苦手さが複雑に絡み合って、文字を音や形と結びつけて覚える難しさに繋がっているのかもしれません」というお話を伺いました。検査を受けて初めて、「本人の努力不足ではなく、生まれ持った特性の特性による生きづらさだったんだ」と腑に落ちました。
それまでの「なぜ覚えられないんだろう」という焦りが、ようやく「そういう理由があったんだ」という理解に変わった瞬間でした。

私はかなりパニックになりましたが、夫は「大丈夫だよ、この子には別のいいところがあるから」と長い目で見ていくよう受け止めてくれました。

その後、通級指導教室や特別支援学級でサポートを受けながら小中学校を過ごした太郎は、工業高校に進学して電気工事士の資格を取得。卒業後は就職し、いまは社会人4年目として毎日働いています。
あの頃「ひらがなが読めない」と悩んでいたのが嘘のようです。

「次男は大丈夫」と思っていたら……小3で発覚した発達性読み書き障害(ディスレクシア)

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次男の次郎は、3歳の頃にはひらがなが読めていました。太郎のことで精一杯だった私は、「次郎は大丈夫そうだ」と内心ほっとしていました。
ところが小学校3年生になった頃から、授業についていけなくなってきました。黒板の字を書き写すのが遅い。
文章を読むのに時間がかかる。「また……?」という気持ちと、「もっと早く気づいてあげればよかった」という後悔が入り混じりました。

改めて知能検査を受けると、全体的な知的発達に遅れはないものの、「見たものを素早く処理して書き写す力(処理速度)」に苦手さがあることが分かりました。ノートを取るなどの作業で、授業でどうしてもワンテンポ遅れてしまうのです。
その後、知能検査の指標だけでなく、文字の読み書きに関する追加の詳しい専門検査(アセスメント)を重ねた結果、中学2年生のときに「発達性読み書き障害(ディスレクシア)」と正式に診断を受けました。

その後、問題文へのルビ振り・テスト時間の延長・パソコンでの解答入力といった合理的配慮を受けながら学習を続け、工業高校を卒業。いまは社会人2年目として毎日働いています。
太郎と次郎、タイプは違うものの、2人とも「自分に合った方法」を見つけることで、道が開けていきました。

「わが家の場合はこうでした」が、どこかで悩む誰かのヒントになりますように


この連載では、2人の息子と歩んできた記録をお届けしていきます。「こういうことで困った」「これをしたら少しうまくいった」という話を、できるだけリアルにお伝えしていく予定です。
私は専門家ではないので、あくまで「わが家の場合はこうでした」という話になります。お子さんの特性も、必要なサポートも、歩む道も一人ひとり違います。

ここに書いたことがそのまま役に立つとは限りませんが、「うちの子と似ている」「こんな方法があるんだ」とひとつでも感じていただけたら嬉しいです。
次回は、太郎の保育園時代のお話から。「年長なのにひらがなが読めない、うちだけ?」そんな気持ちで過ごしていた頃のことをお伝えします。今まさに同じような状況の方がいたら、ぜひ読んでみてください。
どうぞよろしくお願いします!

執筆/ぴーたん

年長でひらがなが読めなかった長男太郎くん、中2で発達性読み書き障害(ディスレクシア)と診断された次男次郎くんの、つまずきが分かった当初のエピソードをありがとうございます。今やお二人とも社会人として働かれているとのこと。そこに至るまでの学校生活や合理的配慮をどう受けてこられたかなど、今後のコラムも楽しみにしています。

さて、読み書きに関する障害に関しては、この20年近くでだいぶ理解や対応も広まりつつあるところですね。太郎くんのつまずきに気づき悩まれていた際に「保護者の怠慢」と言われてしまったことに衝撃を受けつつ、そういう時代もあったでしょうし、いまだにその名残もあるかもしれませんが、少なくとも専門家の間や学校教員の間ではだいぶ読み書きの障害について理解が広まりました。読み書きの障害(発達性ディスレクシア)に関しては、文字を音として認識し、その音をもとに、単語として語彙を頭の中の辞書から参照し、意味を取っていくという作業をするのですが、その作業に著しく時間がかかりスムーズに読めない(だから、読んだものの理解にも時間がかかる)ということが原因とされています。読むことに時間がかかる(文字の意味理解の参照に時間がかかる)と、書く際にも文字や単語を想起するのに時間を要し、スムーズに書けないという状態像を呈する場合もあります。

読みや書きにつまずきが見られる場合、まずは知能検査で知的発達に遅れがないことを確認したうえで、読み書きに関するアセスメントを追加で行い、診断に至ることが多いと思います。
知能検査単体では、読み書きそのものに関する検査項目はなく、ワーキングメモリや処理速度など読み書きに関連しそうな指標について、つまずきが現れる場合もありますが、それだけですべてが説明されるものではないため、読み書きに関するアセスメントを行うことで、何がどの程度苦手なのかといったあたりがよりつかみやすくなると思います(このあたり、この20年近くでだいぶ進んだ領域かなと思います)。

ただ、「読み書きがどの程度苦手なのか」や「診断がされるかどうか」も大事ですが、それが分かっても、残念ながら読み書きのつまずきがなくなるわけではありません。例えば、“ひらがな・カタカナは読み書きできるようになることを目標にしよう”(そうすればルビが読めるようになる)といったあたりを当面のお子さんの目標にすることや、それ以上のことは合理的配慮を求めることで学習そのものへの遅れを防いでいくなど、具体的な手立てが必要です。そのあたりを今後のコラムできっとご紹介いただけるのではと期待して、楽しみにしています。(監修:臨床心理士・公認心理師初川久美子先生)

(コラム内の障害名表記について)
コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。

SLD(限局性学習症)
LD、学習障害、などの名称で呼ばれていましたが、現在はSLD、限局性学習症と呼ばれるようになりました。SLDはSpecific Learning Disorderの略。

ADHD(注意欠如多動症)
注意欠陥・多動性障害の名称で呼ばれていましたが、現在はADHD、注意欠如多動症と呼ばれるようになりました。ADHDはAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略。
ADHDはさらに、不注意優勢に存在するADHD、多動・衝動性優勢に存在するADHD、混合に存在するADHDと呼ばれるようになりました。今までの「ADHD~型」という表現はなくなりましたが、一部では現在も使われています。

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