涙が止まらなかったあの日。初めて療育センターへ行ってきました
この子に一体何が起きているの?
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子どもの発達が気になったとき、そして「もしかして何か障害があるのではないか」と疑い始めたとき、みなさんはどんな心境だったでしょうか?
我が子に障害があると考えたくないという保護者の方もいると思いますが、私は「必要なら早く子どもをサポートしてもらえる場所に繋がりたい…」という気持ちでいっぱいでした。
私の住んでいる地域では、3歳にならないと発達障害の診断は出ないということでしたが、1歳半健診を受けた際に紹介された「療育センター」で相談に乗ってもらうことにしました。
療育センターと聞いても、知識のなかった当時の私には、何をする所か全くわかっていませんでした。
とにかく子どもの今の状態が知りたい一心だった私。
うちの子は発達に問題があるの?
他の子と何か違うの?
そんな気持ちが渦巻きながら、療育センターの予約日までの数ヶ月を過ごしていました。
待ち遠しかった療育センターでの相談。最初に面談したのはソーシャルワーカーさんだった
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初めて療育センターを訪れた日、息子は2歳になっていました。最初に話を聞いてくれたのは、ソーシャルワーカーと呼ばれる人でした。「 医師と私たちを結ぶ、『何でも屋』と思って頂きたい。」そう言われたのを覚えています。
あらかじめ書いてきて下さいと貰っていた問診票や生活記録表を渡しながら、私たち親子(夫、私、息子)とワーカーさんとの4人で和やかな4者面談を行いました。
生活記録表には、生まれてからの成育歴を記しました。
また、問診票には睡眠が乱れていることや、偏食、衝動性でどれほど苦労しているかなど、母親目線での育てにくさを記入しました。
面談では問診票の確認のほか、夫から見た息子の様子も聞かれました。
そのあいだ息子は、用意されていたオモチャや私が用意していたお気に入りグッズでその場を過ごしました。面談が終わると、ワーカーさんから「それでは医師の診察になりますね」と言われました。
いよいよ始まった息子の診察。医師の分析、視点の違いに驚き!
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その後、医師の待つ別室へと息子と入室しました。部屋に入ると医師が1人、他にもう1人女性の保健師さんがいました。
医師は初めに主人と私に笑顔で挨拶をした後に、「お子さんの様子を少し拝見しますね。簡単なテストのようなものもします。」と言い、1歳半健診でやるような型はめや絵本、クレヨンでお絵かきなどをしました。
検査に使う道具や絵本、絵の描いてあるカードなどは、医師が指示を出すタイミングまで、白い布に覆われた棚の中に隠してありました。整理された環境…それはまさに、子どもが落ち着いて目の前のことに集中できるよう工夫された部屋でした。
こうして、検査段階から既に療育への第一歩が始まっていたのです。その後、一通り息子の課題や検査が終わり、先生が言いました。
「実はドアを開けた瞬間から息子さんがどこに注目するのかを見ていました。息子さんの場合は、真っ先に物に注目していましたね。
通常というと語弊があるかもしれませんが、このくらいのお子さんであれば、入る時点で周囲を警戒する子がまぁ、一般的には多いんですよ。息子さんはそうですね…人ですね。人への関心が少ないお子さんではありますね」
私は、先生のこの言葉に衝撃を受けました。
なぜなら、これまでの子育ての中で私が気になっていたことは、落ち着きがないとか、偏食・不眠という「目に見えて気になるところ」だけだったからです。
発達の遅れというのは行動だけではなく、目に見えないこと(感受性)にも注目するのですね。
やっと子育ての相談ができる…身構える私。そして下された診断名は
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いよいよ、医師と私たち夫婦との面談です。特に私は身構えていました。
「やっとこの子に起きていることがわかる…!」この日が来るまで、何度眠れない夜を過ごし、何度涙を流したか…。
医師から告げられたのは、以下でした。
●注意関心の向け方に偏りがある
・人より物に関心がある
●発達に凸凹がある
・目で見て理解する力はある(視覚優位)
・意図、意味、気持ちや状況、ルールや人との距離など、見えないものをイメージする力が弱い
●コミュニケーションの困難さ
・相手の意図を理解してコミュニケーションする力が弱い
「この、3つの観点から総称して『自閉症スペクトラム障害』と言えます。そこに交わるカタチで、様々な障害が関わってきていたりもするのですが、お子さんの場合はADHDの傾向が既にあります。ただし、未就学児に対する診断は下せないことになっていますから、ADHD(仮)と思ってください。」
医師は時おり穏やかに、でも強くきっぱりと言いました。
「この子にはきっと何かある…」わかってはいた。でも現実を突き付けられたショックは大きくて
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うちの子は自閉症スペクトラム障害なんだ…。障害と名のつく診断を貰ってしまった…。
その直後、しばらく呆然としたのを覚えています。
そして、気付いた時に私は泣いていました。
声もなく、ポロポロ涙が止まりませんでした。主人も冷静を装いながら、私の背中を一生懸命さすってくれていました。
医師は更に続けました。
「診断名というのは、あくまで名前です。総称のようなもの。これから先、診断名としては一生取れることはないかもしれないけれど、息子さんはまだ小さい。
これからの関わり方次第で、とても伸びるお子さんだと思いますよ。賢いのね、彼。
とても賢いわ。将来が楽しみ。だから、一緒に向き合っていくお力になれればと思います。」そう締めくくりました。
支えになった夫の存在。そして始まったのは新しい未来だった
「診断名としては一生取れることはないかもしれないけれど」医師のこの言葉は、悪意からではなく「大丈夫。我々もサポートします。未来をみよう!」という気持ちからだったのだと思いますが、この時の私は、この言葉だけがずっと頭から離れませんでした。
主人は、滅多に動じない人ですが、流石に悲しそうな表情でした。私が感情のまま泣いてしまったことで、それをどうにかしてあげなきゃ。
家族を支えなきゃ。という気持ちでいっぱいだったようです。
こうして私たち家族の、療育と向き合う日々が始まるのでした。
その様子は次の記事で書きたいと思いますので、宜しければお付き合いください。
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