子育て情報『「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」』

2018年12月24日 10:50

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」

目次

・親は考え過ぎず、ただそこにある「環境」と関わればいい
・外遊びが「知能の原型」をつくる
・もっとも重要なことは親が一緒に楽しむこと
「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」

家に引きこもっている子どもより、自然のなかを元気いっぱいに駆けまわっている子どものほうが心身ともに健全に育つということは、子育ての専門家でなくとも想像できます。事実、「自然体験が子どもの発達に及ぼす影響」を研究テーマにする心理学者・石﨑一記先生も、「外遊びは子どもの成長に大いに影響を与える」と語ります。ただ、外遊びの効果を引き出すには、「親の関わり方がすごく大事」とも。それはどういうことなのでしょうか。

構成/岩川悟取材・文/清家茂樹(ESS)写真/玉井美世子(インタビューカットのみ)

親は考え過ぎず、ただそこにある「環境」と関わればいい

外遊びについてお伝えする前に、まずは多くの親御さんが持っている誤解を解いておきたいですね。ひとつ、例を出しましょう。以前、親子で参加するサマーキャンプを開催したときのことです。子どもたちが川遊びをしていると、ニジマスが泳いできました。
なぜかというと、わたしが事前にニジマスを用意して放流したからです(笑)。

それで、子どもたちはどうするか。当然、一生懸命に捕まえますよね。じゃ、なぜ捕まえるのか。ニジマスが泳いできたからですよ。そこにもっともらしい理由なんてありません。でも、教育熱心な親御さんたちほど、ただの遊びに対しても「なぜこれをやるの?」「なんのためにやるの?」と、考え過ぎてしまう。そうではなくて、ただそこにある「環境」と関わればいいのです。
まずは親御さんが意識を変えないといけない。

この話には続きがあります。ニジマスを捕まえた子どもはどうなるか。困るんです(笑)。経験がないから、どうしたらいいのかわからないんですね。でも、まわりを見渡してみると、魚をさばいている大人がいる。子どもはその人のところにニジマスを持っていき、一緒にさばいてもらう。さらには、たき火をしている人もいる。
子どもはさばいたニジマスを焼いて食べる。子どもにとっては最高の遊びです。

「外遊び」は有能感や自己肯定感を伸ばす――でも、効果のほどは「親次第」


ところが、「今日の昼食はニジマスですよ、ひとり1匹ずつ捕まえて焼きなさい」と告げられたとしたらどうでしょうか?子どもたちはお昼ご飯を食べるためにニジマスを捕まえなければならない。同じことをやっているようでいて、これはもはや作業です。まったくもって遊びではないですよね。

生きること自体もそうですが、子どもにとっての遊びは、つねに自分から環境に対して働きかけないといけないものなのです。

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