「ママやって」と言われたら要注意。東大・京大合格者が幼児期にしていたこと5つ
「うちの子、全然集中力がなくて……」「すぐに『ママやって』って言ってくる」——そんな悩みを抱えていませんか?
東大・京大合格者や司法試験・医師試験の難関突破者が、幼児期にどんなふうに過ごしていたのか。発達心理学と認知心理学の専門家である十文字学園女子大学教授・大宮明子氏へのインタビューをもとにまとめました。大宮氏は、京都大学名誉教授・上田信行氏らとともに難関突破者の幼児期を調査しています。
育て方1. 好きなことを「とことんやらせる」
→ 持続力・集中力・自ら学ぶ姿勢が身につく難関突破経験者の共通点——それは、幼児期に好きなことをとことんやり続けていたということでした。虫取り、サッカー、野球……親はそれを止めず、やり続けさせていました。
親に強制されず、自分が好きなことだったから、持続力や集中力が自然と身についたのです。虫好きの子なら、知らない虫を捕まえれば自分で図鑑を開いて調べ、「この虫とこの虫は似ているから、きっと似た場所にいるだろう」と考える。つまり、自ら学ぶ姿勢と、知識を体系化する力が、小学校に入る前から育っていたのです。
- 子どもが夢中になっていることを止めない:「もうやめなさい」ではなく、集中を邪魔しない
- 好きなことを応援する:虫取りでも、サッカーでも、子どもの興味を肯定する
- 知識を体系化する手伝いをする:「この虫とあの虫、似てるね」など、つながりを見つける会話をする
子ども部屋がものであふれかえると、子どもはどこに注意を向けていいのかわからなくなり、かえって集中できなくなります。
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育て方2. 「先回り」をやめて、試行錯誤を見守る
→ 粘り強く頑張る力と達成感が育つ大宮氏は「子どもが考える前から答えを与えては、試行錯誤や達成感をすべて奪い取ってしまう」と警鐘を鳴らします。
たとえば、子どもが新聞紙で坂道をつくり、キャップを転がす遊びをはじめたとしましょう。なかなか真っすぐ転がらないので、壁をつくるなど工夫します。こういった試行錯誤こそ、子どもが「自ら学ぶ、考える」ということです。
でも、親が「それじゃ駄目でしょ」「こうしたほうがいい」と先回りすると、「ママがやってよ」と答えを待つ子どもになってしまいます。
- すぐに答えを教えない:子どもが試行錯誤している最中は、じっと見守る
- 失敗を許容する:「それじゃ駄目でしょ」ではなく、「どうしたらうまくいくかな?」と問いかける
- 達成の瞬間を一緒に喜ぶ:「やったね!」と子どもの達成感を共有する
子どもが「ママがやって」と言うようになったら、親の先回りが過剰になっているサインです。
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育て方3. 「こそあど言葉」を減らし、具体的な会話を増やす
→ 幼児期の語彙力が、小学校以降の学力を予測する大宮氏の研究では、「幼児期の語彙力が高いほど、小学校以降の学力が伸びる」ことが明らかです。語彙力と学力には非常に強い相関があります。
では、幼児期に語彙力を伸ばすには? 日常で具体的な言葉を使う会話をすることです。「こそあど言葉」を多用する家庭より、具体的に話す家庭の子どもの方が成績が優秀という研究結果があります。
「それ、取って」ではなく、「テレビの横にあるリモコンを持ってきて」と伝える。こうした積み重ねが、子どもの語彙力を伸ばします。
- 「これ」「それ」を具体的な名詞に置き換える:「これ取って」→「リモコン取って」
- 動作も具体的に伝える:「やって」→「持ってきて」「開けて」など
- 完璧を目指さず、楽しい会話を優先:厳密さにとらわれず、まずは会話を楽しむ
大宮氏の2,700人調査では、子どもの自主性を尊重する「共有型」しつけの家庭の子どもは、指示が多い「強制型」の家庭より語彙力が圧倒的に高いことが判明。「共有型」親子は、コミュニケーションが密になりやすいため、言葉を実際に使う機会が増えるのです。
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育て方4. 絵本は「楽しむもの」と割り切る
→ 学びを意識しすぎると、子どもの興味の芽を摘んでしまう絵本の読み聞かせで子どもは新しい言葉を知り、概念も覚えます。しかし大宮氏は、「それらが読み聞かせの目的だと考えてはいけない」と警鐘を鳴らします。
子どもが「絵本を読んで」とおねだりするのは、学びたいからではありません。親と一緒の時間が楽しい、独り占めできてうれしい——そういう気持ちがあるからです。昨日も読んだ絵本を「またこれ?」と思っても、それは親と一緒の時間を求めているサインかもしれません。
- 子どもが注目しているページで止まる:子どもが満足したら「じゃ、次にいこうか」と進む
- 興味を示さないページは飛ばしてOK:「ちゃんと聞きなさい」は大人の理屈
- 声色を変える、ゆっくり読むなど工夫する:「聞かせ」に重点を置く
- 子どもが興味をもったところで前のページに戻ってもいい:主体はあくまで子ども
読み聞かせ後に「どんなお話だった?」と聞くと、子どもは絵本を楽しめなくなります。親がわざわざ子どもの興味の芽を摘んでいるようなものです。
どんな絵本を選ぶかも、子どもの興味に合わせることがベスト。働く車の図鑑ばかり見たがる子なら、働く車が主人公のストーリーものを選んであげればいい。「おすすめの絵本」リストは、参考程度に。
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育て方5. 子どもの仲良しの「友だちになったつもり」で接する
→ 子どもが本来の自然な振る舞いをできるようになる大宮氏は、子どもと遊ぶ際には「大人を捨てる」ことをアドバイスしています。
大人は行動の前に頭で考えますが、子どもは「おもしろそう!」と感じた途端に動きはじめます。そういう子どもに寄り添うには、大人を捨てて子どもになればいいのです。子どもの仲良しのお友だちになったつもりで、ときにはわざと失敗する、知らないふりをしてみましょう。
大人として接すると、子どもは「怒られるかも」と構えてしまい、本来の自然な振る舞いができません。
- 「これをやったらどうなるか」を考えず、一緒に楽しむ:大人の思考を一旦脇に置く
- わざと失敗する、知らないふりをする:「えー、どうなるんだろう?」と子どもと同じ目線に立つ
- 叱る人ではなく、遊び仲間になる:子どもが構えずに自然に振る舞える関係をつくる
大宮氏の調査では、共有型しつけの家庭の子どもは、強制型の家庭に比べて語彙力が圧倒的に高く、「自ら学ぶ、考える」姿勢も育っていました。共有型とは、子どもを主体とし、気持ちに寄り添うスタイル。子どもの仲良しのお友だちになったつもりで接すること——これが、自然と共有型で子どもに接するための第一歩です。
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FAQ:よくある質問
Q1. 好きなことをやらせたいけど、勉強時間が減るのが心配ですA. 幼児期は、先取り学習よりも「自ら学ぶ姿勢」を育てることが重要です。大宮氏の研究では、先取り学習の効果は小学2年生の1学期で差がなくなることが示されています。好きなことに没頭した経験は、持続力・集中力として一生の財産になります。
Q2. つい「ママがやって」と言ってしまう子に、どう対応すればいいですか?
A. 親が先回りしすぎていないか振り返ってみましょう。子どもが試行錯誤している最中は、じっと見守ることが大切です。「どうしたらうまくいくかな?」と問いかけるだけにとどめましょう。
Q3. 語彙力を伸ばすために、具体的にどんな会話をすればいいですか?
A. 日常会話で「こそあど言葉」を減らし、具体的な名詞と動詞を使うことから始めましょう。「それ取って」→「リモコン取って」など。完璧を目指さず、楽しい会話を優先してください。
Q4. 絵本の読み聞かせで、子どもがすぐ飽きてしまいます
A. 子どもの興味に合わせた絵本選びができているか確認しましょう。「おすすめリスト」にこだわらず、子どもが好きなテーマの絵本を選んでください。
主体はあくまで子どもです。
Q5. 共有型のしつけとは、具体的にどうすればいいですか?
A. 子どもの気持ちに寄り添い、子どもを主体とすることです。「○○しなさい!」という指示ではなく、「どうしたい?」と子どもの意思を尊重する会話を心がけましょう。
Q6. 幼児期の過ごし方で、将来の学力が本当に決まるのですか?
A. 大宮氏らの研究では、難関突破者が幼児期に共通してやっていたことが明らかになっています。それは「好きなことをとことんやり続けること」でした。この経験が持続力・集中力・自ら学ぶ姿勢を育て、小学校以降の学力に大きく影響します。
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「自ら学ぶ子」は、幼児期の過ごし方で育てられます。東大・京大合格者や司法試験・医師試験合格者が幼児期にしていたのは、先取り学習ではなく、好きなことをとことんやり続けることでした。
大切なのは、子ども自身が「やりたい」と思うことを尊重し、親はそれを見守り応援すること。そして、日常の会話や遊びで、子どもが自然と学べる環境をつくることです。完璧を目指す必要はありません。子どもの興味を観察し、楽しい会話や読み聞かせの時間を大切にしながら、親子で一緒に成長していきましょう。
(参考)
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|東大・京大・司法試験・医師試験の合格者たちが、幼児期に共通してやっていたこと
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「ママがやって」と言われたら黄色信号。子どもの考える力を奪う親のNGワード
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|「親の言葉遣い」に見る、成績優秀な子が育つヒント。語彙力が伸びる会話の特徴
STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|絵本の目的は学びにあらず。子どもの興味の芽を摘む、読み聞かせ後の「最悪の質問」
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