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「ごほうびで動いてもらう」育児、悪くないんです。あのひとことを足すだけで最強になる

「ごほうびで動いてもらう」育児、悪くないんです。あのひとことを足すだけで最強になる

「シールあげるから、片づけよう」「テストで100点とったら、欲しがってたおもちゃ買ってあげる」

ごほうびで動いてもらう。そんな自分に、ちょっとした罪悪感を抱いていませんか。

「ごほうびで動かすのは本当はよくない」「内発的なやる気を育てなきゃ」。育児書を開けば、そんな言葉が並んでいます。読むたびに、「あぁ、また間違ったことをしてしまった」と胸が痛む。

そんなあなたに、まず伝えたいことがあります。

ごほうびをつかうのは、悪いことではありません。むしろ、子どものことを真剣に考えているからこそ出てくる、ごく自然な手段です。
そして、たったひとつ “あるひとこと” を足すだけで、そのごほうびはぐっと強力な育児ツールに変わります。きょうはその一手をお伝えします。

ごほうびと内発的なやる気は、共存できます


「ごほうびをあげると、本来の楽しさが消えてしまう」

“アンダーマイニング効果” という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。「だからごほうびはダメなんだ」と、肩を落としてきた方も少なくないはずです。たしかにそういう側面はあります。ですが、最新の研究を見ると、もう少し丁寧な話になります。

40年分・約20万人のデータをまとめた大規模なメタ分析では、内発的なやる気と、ごほうびなどの外発的な動機づけは、互いに足を引っぱり合うものではなく、組み合わせ次第でどちらも力になりうることが示されています。*1

たとえば、行動を始めるきっかけはごほうびで、続けるうちに「やってみたら面白かった」という気持ちが芽生え、いつのまにか内側のやる気が育っている。
そんな道のりは、まったく珍しいことではないのです。

つまり、「ごほうびか、内発的なやる気か」の二者択一ではありません。ごほうびは使っていい。問題はただひとつ、ごほうび “だけ” で終わらせないこと。それだけです。

そして「だけで終わらせない」ためのいちばん簡単な工夫は、難しい理論でも、手の込んだ仕掛けでもありません。たった “ひとこと” を足すことなのです。


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足すのは、たったひとつの問い


では、何を足せばいいのか。

おすすめは、行動が終わったあとに、こうたずねるだけです。

「やってみて、どうだった?」のひとことです。

「テストで100点だったね、おもちゃ買ってきたよ。やってみて、どうだった?」
「お手伝いありがとう、シールあげるね。やってみて、どうだった?」

たったひとつの問い。けれど、これを足すか足さないかで、子どもの心に残るものはまるで違うものになります。

なぜ”問いかけ”が外発を内発に変えるのか


子どもの「やる気の根っこ」を育てるうえで重要なのは、3つの感覚を満たすことだと言われています。*2自分で選んでいるという感覚、できているという感覚、そして、受けとめられているという感覚です。
むずかしそうに聞こえますが、これは、子どもが「これは自分の経験だ」「ここに自分のことを見てくれている人がいる」と感じられる時間のことです。

「やってみて、どうだった?」というひとことは、この3つを同時にやさしく刺激します。

「どうだった?」は、子どもの感じたことを、評価ではなくそのまま受けとる姿勢を表します。「えらかったね」でも「がんばったね」でもなく、まず子ども自身の感想を聞く。たったそれだけで、「受けとめられている」という安心感が生まれます。

そして、子ども自身が「楽しかった」「むずかしかったけどできた」と振り返ったとき、その経験は “ごほうびのため” ではなく、”自分のもの” として記憶に刻まれていきます。「やらされた」が「やってみた」に変わる瞬間です。

実験研究でも、子どもがあまり気乗りしない作業に取り組むとき、ごほうびだけを与えた場合よりも、子どもの気持ちを受けとめて理由を伝える “自律性サポート” を加えた場合のほうが、自分から選んでその作業を続けるようになったという結果が報告されています。
*3

ごほうびは、行動を始める “きっかけ” なのです。
「どうだった?」は、その経験を子どもの内側に根づかせる、仕上げのひとことなのです。


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場面別、こんなふうに「ひとこと」を足してみる


毎日のいろんな場面で、こんなふうに足すことができます。

お手伝いをしてくれた日に。「シールあげるね。やってみて、どうだった?」
テストでいい点をとった日に。「やったね、ごほうび決めよう。
がんばってみて、どんな気持ち?」
習い事に行きたがらなかった日に。「行けてえらかったよ。きょうはどんな気分だった?」
ポイントは、答えが「ふつう」「べつに」でもまったくOKだということです。「そっか」と短く受けとめるだけで、十分に意味があります。アドバイスや反省を求める必要はありません。

完璧じゃなくて大丈夫。忘れる日があってもいい


毎回かならず聞かなきゃいけない、と思わないでください。むしろ、「あ、聞き忘れてた」と気づく日があるくらいが自然です。

ごほうびの準備をして、結果を喜び合い、つい「次もがんばろうね」で終わってしまう日があっても、子どもとの関係はなにも損なわれません。


週に1度でも、月に2、3度でも、思い出したときにそっと足してみてください。

「やってみて、どうだった?」

ごほうびで動いてもらう。それでいいんです。
***
いつものフレーズにひとことを “そっと足す” だけで、お子さんのなかにある「自分でやってみたい」という小さな芽は、確実に育っていきます。

よくある質問(FAQ)
Q. ごほうびは、いつまでつかってもいいんですか?

A. 「卒業しなくちゃ」と急ぐ必要はありません。子ども自身が「ごほうびがなくても、やってみたら楽しかった」と感じる瞬間が積み重なってくると、自然と頻度は減っていきます。やめどきは大人が決めるのではなく、子どもの内側の変化が教えてくれるものだと考えてみてください。


Q. お菓子やおもちゃ以外のごほうびってありますか?

A. ハグや一緒にゲームをする時間、特別なお出かけなど、”物以外”のごほうびもとても効果的です。ただし、ここでも完璧を目指す必要はありません。お菓子やシールが家庭のリズムに合っているなら、それで十分です。大切なのは、ごほうびの中身ではなく、そのあとに添える「やってみて、どうだった?」のほうです。


Q. 「どうだった?」と聞いても、「ふつう」しか返ってきません。

A. それで十分です。お子さんは、答えながら自分の経験を頭のなかで振り返っています。返事の中身ではなく、”問いを受けとった”という体験そのものが、内側のやる気の芽を育てます。返事が薄いからといって、ひとことを足したことが無駄になることはありません。

参考文献*1: Psychological Bulletin|Intrinsic Motivation and Extrinsic Incentives Jointly Predict Performance: A 40-Year Meta-Analysis(Cerasoli, Nicklin, & Ford, 2014)
*2: Canadian Psychology|A Self-Determination Theory Perspective on Parenting(Joussemet, Landry, & Koestner, 2008)
*3: Journal of Personality|Introducing Uninteresting Tasks to Children: A Comparison of the Effects of Rewards and Autonomy Support(Joussemet, Koestner, Lekes, & Houlfort, 2004)
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