いい学校に行くための勉強では養えない「夢見る力」。子どもの感性を育てるには?
\親が知っておくべき「子育てで本当に大事なこと」/
度々話題になる子どもの「教育格差」や「体験格差」。非認知能力を育むために、子どもの「体験」は重要なことです。
では、そもそも豊かな「体験」とはどんなものなのか、体験によって何が変わってくるのか―――。現代で子育てに関わるすべての大人が知っておきたい「子育ての新しい教養」が詰まった一冊です。
今回は子どものアートを鍛えるために家庭で体験させたいことについて、書籍『子どもの生きる力をのばす5つの体験 答えのない子育てで本当に大事なこと』(辰巳出版)から一部抜粋してお届けします。
書籍『子どもの生きる力をのばす5つの体験』
夢見る力、想像する力が社会を変える
※画像はイメージです
子どものアートの力を鍛えるには、どんなことをすればよいのでしょうか。子ども自身が感じたことをどんなやり方でもいいのでともかく形にする、可視化する練習を多く積み重ねることがとても大切だと思います。アートは自由なものですが、人々が広めて作ってきた一定の「型」もありますよね。
自分で表現していくためには、その型を多く知っておくことも大切です。それは、型を教えてくれるような教室に通わせるという意味ではなく、たくさんきれいな絵を観たり、素敵な音楽を聴いたりする経験を重ねればいいのです。そうやってインプットをしておくと、子どもなりに自分の中でモヤモヤしたものを形にしたいとなったときに、「ああいう表現もあるな」と型を思い出し、そこから自分なりにアレンジしていくことができるはずです。たくさんの型を知っておくと、アレンジの幅も広がります。モデルとなる型がわからなければ試行錯誤すればよいのですが、アートの面白さを実感できないままあきらめてしまうことも少なくないので、ある程度の型を学ぶ場は考えてあげたほうがやはりいいでしょう。
型を学ぶにしても、何も有名なアーティストの展覧会や世界的なオーケストラのコンサートに連れて行くことだけがよいわけではありません。子どもが「面白いな」「気持ちいいな」と思えるようなアートに触れる機会を増やしていくことが大事なのです。そのためには、わが子がどんなものを楽しいと思うのか知っておく必要がありますね。

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また、アートに出会ったときに感動する力も育みたいですね。本来は誰もが遺伝子の中にこれまで人類が経験してきた断片的な知恵やイメージが組み込まれていて、それらが反応するような作品に出会ったときには感動する気持ちが芽生えるはずなのです。