成長に必要な成功体験。実は「子ども自身がやりたいこと」で積まないと意味がなかった。専門家が教える子育て
\親が知っておくべき「子育てで本当に大事なこと」/
度々話題になる子どもの「教育格差」や「体験格差」。非認知能力を育むために、子どもの「体験」は重要なことです。
では、そもそも豊かな「体験」とはどんなものなのか、体験によって何が変わってくるのか―――。現代で子育てに関わるすべての大人が知っておきたい「子育ての新しい教養」が詰まった一冊です。
今回は「心からやりたいことこそ成功する意味がある」について、書籍『子どもの生きる力をのばす5つの体験 答えのない子育てで本当に大事なこと』(辰巳出版)から一部抜粋してお届けします。
書籍『子どもの生きる力をのばす5つの体験』
心からやりたいことこそ成功する意味がある
※画像はイメージです
教育者は子どもの発達を考える際に、順序性があり、これができたなら次はこれができるようになるという見通しを持って保育や教育にあたります。そのため「逆上がりができるようになった」「スキップができるようになった」「ボールが蹴られるようになった」など、どうしても「できるようになったこと」を「子どもの育ち」だと捉えてしまうことがあります。すると保育所や幼稚園、子ども向けの教室においても「うちはこういうやり方で、いつまでに全員がこれをできるようにします」というやり方の競争が始まってしまうのです。
でも、本当に大事なことは、まずは子ども自身が逆上がりをやりたいのか、サッカーをやりたいのかということですよね。子どもは何歳であっても、それぞれの世界を持った独立した人間です。誰でもやりたいこととやりたくないことがあるはずで、やりたいことにたくさん時間をかけて、たくさん挑戦したいものです。「今はそんなことをやるときじゃない。逆上がりの練習をしましょう」と言われて、逆上がりに成功したとしても、将来の糧になるような成功体験になるとは限りません。実際、小学校時代に跳び箱を6段跳べて、今も軽々跳べる大人はどのくらいいるでしょうか。今は跳べなくなっているということは、当時せっかく作られた脳の回路が消えつつあるのです。
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子どもが心からやりたいと思うことでなければ、一度成功しただけでは身につきません。
今、教育の現場も「これができるようになる」という到達目標を追いかけ、子どもを競争させるのではなく、子どもが「これをやってみたい!」「これが楽しそう!」