子育て情報『「やる気あるの?」というコーチングでは伸びない。高校サッカー強豪の監督が無冠で気づいた「選手に響く」伝え方の重要性』

2019年10月15日 14:40

「やる気あるの?」というコーチングでは伸びない。高校サッカー強豪の監督が無冠で気づいた「選手に響く」伝え方の重要性

5度の日本一を果たしても周囲からの称賛を喜べなかった日ノ本学園の田邊友恵監督。前編では12年間の指導者生活の中で気付いた選手が成長するタイミングについてや、褒められる嬉しさについてお聞きしました。

後編の今回は、「オラオラ系」指導者だった田邊監督に訪れたもう一つの転機について振り返ってもらいました。

(取材・文・写真:森田将義)

目次

・無冠の一年を経験し、できない原因の矢印が選手から自らに向いた
・"知っている"と"できる"は別物。変えるには指導者自身の経験が不可欠


「やる気あるの?」というコーチングでは伸びない。高校サッカー強豪の監督が無冠で気づいた「選手に響く」伝え方の重要性

なぜその練習をするのか、言語化して選手たちに理解させることが大事だと語る田邊監督

<<前編:「私がオラオラ系指導をやめたワケ」

■無冠の一年を経験し、できない原因の矢印が選手から自らに向いた

男子サッカーの強豪校が新たに女子サッカー部を創部するケースが目立つなど戦国時代となりつつある現在とは違い、田邊監督が就任した当初は選手の質を見れば日ノ本学園は全国でも頭一つ抜けた存在でした。

2012年10月にコーチから監督になった直後の選手権こそ全国3位で終わりましたが、2013年度と2014年度はインターハイと選手権の2冠を達成。2015年度も第1回大会から君臨し続けてきたインターハイ女王の座を守り、4連覇を達成しました。しかし、2016年度のインターハイは準決勝で敗退。選手権も2回戦で姿を消すなど就任以来、初めて無冠で一年を終えたのです。


この年の選手権ではインターハイを落とした危機感が田邊監督にもあったのでしょう。大会直前の練習では、誰かのために頑張る姿勢が見えない上に練習でのコミュニケーションに欠ける選手が多かったため涙を流しながら激怒したこともありました。

毎回、そうした指導を行うわけではなく、大舞台を前に選手の気持ちに火をつけたいと思った故の行動でしたが、「なんでやらないの?といった声掛けが多かったけど、あの年を境になんで?って言ってはいけないと思ったんです。今になって振り返るとあの子たちはあの子たちなりにやっているんです。一生懸命やろうとも頑張っていたのに、それをさせられない指導者が悪いという感覚がなかった。でも、今は『声出せ』、『やる気あるの?』というコーチングは全て自分が悪いんだと思えるようになりました」。

「勝てなくなって、これまで通りうまくいかないことを選手のせいにして怒り続けるのか自分を変えるのか考えた結果、自分を変えて指導力をつけなければこの先やっていけないと思った」田邊監督は苦しい一年を経験して以来、「なんで」

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