2020年10月23日 18:15
DFとGKが連携してプレーできない。イメージを共有して声かけを増やすにはどんな指導をすればいい?
最初はゆっくりと回すようにします。まずはそういうことをして「連携している」という感覚を養ってください。
それをやってくと、次に「守る時も同じだ」ということに気づきます。誰が誰がボール保持者に最初にディフェンスに行くのか。カバーはどうするのか。だんだん見えてくるので、最後尾にいるキーパーからもコーチングの声が生まれてきます。
ところが、これを守備から入ってしまうと、どうして守ることに意識が向いてしまいます。したがって、必ず攻撃から入って相手の先手を取る方法さえ知れば、スムーズにできるようになります。
■トレーニングでの状況設定のしかた
では、練習はどうするか。
まずは2対1の状況をつくればボールを取られないことがわかります。相手トップがボールを奪いに来ても、サイドバックがいて、センターバックもいるので取られません。例えば4バックなら、守備4人とキーパーがいて相手2人という5対2の状況設定でトレーニングをします。
逆にディフェンス側から見たら、数的不利の時にどう守るかをここで練習できます。6年生くらいになるとそんな練習をしていく必要があるのですが、このようなビルドアップトレーニングを実際に行う人は少ないようです。すぐ試合をしてしまい、そこでやろうとします。
ところが、試合になると相手に取られたらいけないと怖くなるので、焦ったキーパーやバック陣がすぐに前線に大きく蹴ったり、ミスをしてしまいます。
ですので、同じ状況が何度も出てくるような設定をつくって、練習をさせてください。
■攻撃と守備どちらが先か、ではなく両方一緒に高める
練習のスタートが2対1で、それをベースに考えていけると、問題なくビルドアップできるようになります。
例えば、相手ボールでスタートする。さあ、どういうふうに守りますか?
次にディフェンスをしていてボールを奪ったら、攻撃に転じます。前進できるようつながないといけません。ところが、つなぎ方を知らないと、また取られる。つまり、守り方を知っていても、奪ったボールをつなぐことを知らなければ、取られ続けることになります。
よくコーチ同士で「攻撃を先に覚えるのか、守備が先か」という話になります。
いい攻撃をしてくれると、守る側は守備力を磨けます。守備力がアップすれば、そこをこじ開けなくてはいけないので、つなぐ力やアタックのスキルは向上します。鶏が先か卵が先かという話と似ていますが、両方を一緒に高めていくことを目指します。