子育て情報『小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク』

2021年1月20日 18:40

小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク

昨今、子どもの「ヘディング禁止」が話題になっています。2020年にイングランドサッカー協会(FA)は「11歳以下は原則ヘディング禁止」を打ち出し、アメリカは以前から、年令によるヘディング禁止(制限)を掲げています。

ヘディングが成長期の子どもの頭や身体に及ぼす影響はどれほどなのでしょうか?理学療法士として医療現場でリハビリテーションに携わり、「サッカーにおけるヘディングの累積曝露と慢性外傷性脳症に関する最近の知見」という論文を発表した、臼井直人さんに話を聞きました。
(取材・文:鈴木智之)

目次

・ヘディングは健康障害の原因になるのか
・ヘディング後、頭痛が続いたら注意
・ヘッドギアをつけてヘディング練習をする方が衝撃が増える
・大人が知っておくべきヘディングの注意点


小学生年代のヘディングは禁止した方が良いの? 知っておきたい少年サッカーのヘディングリスク

少年サッカーでヘディングは禁止した方が良いのかを伺いました(写真は過去のサカイクキャンプで浮き球のコントロールの練習をする子ども)

■ヘディングは健康障害の原因になるのか

自身も「お父さんコーチ」として、千葉県松戸市の少年団でコーチをしている臼井さん。小学4年生を担当しており、理学療法士としての知見を活かしながら、サッカーの指導にあたっています。

少年期のヘディングの是非について、臼井さんは「大前提として、ヘディングと健康障害の因果関係ははっきりとはわかっていません」と前置きをした上で、次のように話します。

「イングランドでガイドラインが出たのは 『The New England Journal of Medicine』という世界一影響力があると言われている臨床医学ジャーナルの中で『プロサッカー選手が高齢になったときに、認知症やパーキンソン病など、脳の神経変性疾患で死亡する頻度が3.5倍高かった』という研究結果が出たことに依ります。
明確な因果関係は定かではありませんが、おそらくヘディングが影響しているのではないかと考えられています」

■ヘディング後、頭痛が続いたら注意

幼少期から繰り返しヘディングをすることで、脳へのダメージが蓄積されることは想像に難くありません。なかでも問題視されているのが、子どものヘディングです。

「ヘディングでは、頭部の質量が小さいほど、衝撃が大きくなることが分かっています。子供や女性では、男性に比べ頭部の質量が少なく、頭部を支えるのに十分な筋力が備わっていないため、ヘディング時に頭にかかる衝撃は、大人の男子サッカー選手よりも大きくなります。アメリカの論文によると、中学生や女子サッカー選手の約半分の選手が、ヘディング後に頭痛を経験していることが明らかになりました。

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