2021年2月2日 10:00
いつ、どこで、どのようにボールを奪いに行けばいい? 元ドイツ代表DFに聞いた 1対1スキルの伸ばし方
1対1が強くなりたい。相手からボールを奪えるようになりたい、と思っている子は多いのではないでしょうか。小学生年代でよく行われる練習でもある1対1。基礎的な練習であり、プロの試合でもあらゆる場面で行われるサッカーの基本ともいえるものです。
どんな風に1対1を習得させることが大事なのか。日本と海外では教え方は違うのか。どうしたら自らボールを奪いに行けるようになるのか......。
ドイツ・フライブルク在住で長年ドイツで少年サッカーの指導に携わり、様々な情報を発信している中野吉之伴さんが、元ドイツ代表DFルーカス・シンキビッツ氏に育成年代ではどのように1対1を学ぶことが大事なのかをインタビューしました。
(取材・文:中野吉之伴)
1対1の能力をどう伸ばせばいいのか(写真はサッカー少年のイメージ)
■とにかく「抜かれない」こと重視か、不必要に激しいぶつかり合いの両極端になってないか
「もっとがつがつボール奪いに行けよ!」
「簡単に交わされるんな!」
「デュエルを激しく!」
子どもたちの試合を見ているとそんな指導者や保護者の声が飛び交うことがありませんか?1対1におけるボールのせめぎあいはサッカーにとってとても大事な要素。でもどうすればその能力を伸ばしていくことができるんでしょう?どのように取り組めば怖からず、激しくなりすぎずに自分からボールを奪う感覚を身につけることができるのでしょう?
そこで元ドイツ代表DFルーカス・シンキビッツ氏のお話を伺いました。
ケルン育成育ちのシンキビッツ氏はルーカス・ポドルスキ選手の同期で、ケルン、レバークーゼンなどで活躍。現役引退後は指導者の道を歩み、現在はブンデスリーガ2部所属のフォルトゥナ・デュッセルドルフのセカンドチームでアシスタントコーチを務めています。育成年代でも指導者経験のあるシンキビッツの言葉からはとても学ぶものが多いです。
個人的な見解ですが、日本の小学生年代の練習や試合を見ていると、1対1の局面で相手と距離をとってとにかく"抜かれない"ことばかりに一生懸命になっているか、あるいは相手がけがするかどうか度外視で不必要に激しいぶつかりで競り合おうとする守り方が目立つような気がするのです。
もちろん、正しい守備の技術を身につけて、いつ、どこで、どのようにボールを奪いに行くべきかをわかっている指導者や子どもたちもいますが、印象としてそもそも取りにはいかないか、行くなら相手をつぶしすくらいでいくかという両極端な守備を見かけることが多い気がするのです。