2021年4月19日 15:30
「失敗してよかったね」というコーチの言葉が子どもを成長させる。保護者も共感のその理由とは
大人が口出しせず、グラウンド設営、大会運営、レフェリーまでを子どもたちが行う子どもが主役の大会「フォレストカップ」。
大会を主催する伊勢原FCフォレストは「子どもが自分で考えて、行動できるようになる」をモットーとするクラブで、代表を務める一場哲宏監督の理念に賛同した保護者、子どもたちが集まり、人として、サッカー選手として成長するために、日々奮闘しています。
チームに子どもを預ける保護者の皆さんにも、チームのどんなところに賛同しているか、親としての意識がどう変わったかなどを伺いました。
(取材・文:鈴木智之)
自分たちのプレーの振り返りだけでなく、相手チームへのアドバイス、気づきも話し合います
<<前編:会場設営、出場メンバーも作戦も子どもたちで。ベンチに大人が入らない「子どもが主体の大会」で子どもたちに起こる変化
■日替わりキャプテン、お互いのいいところを言い合うミーティング
伊勢原FCフォレストは、コーチがガイド役となって子どもたちを導きながら、「自分で考えて行動できる」ようになるため、練習では日替わりキャプテンを中心に練習内容を決めたり、練習後にはお互いのいいところを言い合うミーティングをしたり、試合会場には大人の送迎に頼らず、自分たちで行ったりと、様々な経験を積んでいきます。
「自主性」「自立」をテーマに活動して行く中で、子どもたちが徐々に成長し、大会の設営や運営、レフェリーまでも自分たちでできるようになっていきます。その集大成がフォレストカップなのです。
当然、最初からうまくいくわけはありません。
大人がこうしなさいと命令し、そのとおりにやらせるほうが簡単です。しかし一場監督は「子どもたちが自分で考えて、行動できるようになってほしい」という想いから、指示命令を出すのは我慢して、子どもたちが何を感じ、どう行動するかを見守っています。
■ジュニア年代は通過点、将来を見て指導することが大事
「1、2年生の頃は大変ですよ。対外試合をすると、10点差以上で負けることもしょっちゅうですから。でも、私も含めたコーチはそうなることがわかっているので、とくに慌てたり動揺はしません。1、2年生の場合、相手チームに身体能力の高い子がいたり、こっちのGKが慣れていない子だと、たくさん点が入っちゃうじゃないですか。だから、1、2年生の頃にそうやって負けることに関しては、全然問題ないんです」