試合会場での着替え、おしゃれなイメージなし、GK不足...... 女子サッカー普及の課題、解決の糸口は?
プレーヤーの少なさが課題だと言われて久しい女子サッカー。
育成年代にスポットを当ててみると、女子は小学生年代は約1万9400人と男子の1/10の割合、中学生は約1万1100人とさらに減ります。(2023年3月末の女子登録者数)
2022年にサッカーとフットサルを活動する女子チームを立ち上げ、女子の育成にも力を注ぐ垣本右近さんに女子サッカーを取り巻く環境について、お話をうかがいました。
(取材・文木村芽久美)

(2024年12月に開催された第2回ラプスカップに出場した女子選手たち)
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■なかなか整理されない女子サッカー界の底辺

(写真は女子サッカーのイメージ)
垣本さんが代表を務めるカフリンガ東久留米の女子のトップチームは全国大会に行くような実力がありますが、その一方で、下のカテゴリーの女子チームも指導しています。
そのような状況の中、男子のサッカー環境は整理されてきているけれども、女子はまだまだ整理されていないと感じているのだそうです。
「女子中学生リーグの3部や4部になると指導者も不足していて、選手も少なくなってしまい解散するチームが多くなっている状況です。数年前は女子の小学校チームもたくさんあったんですが、ここ5年ぐらいで一気に減って、半分ぐらいになっているんです」
競技人口も多い男子は、同カテゴリーでも人数が揃っているし、それなりの強度でサッカーをしていて、モチベーションも高い場合が多いのですが、女子の場合は楽しくサッカーをすることが一番の目的だったりする中で、男子と同じ規則やシステムの中では同様にはならず、最終的にやめてしまう子もいるのだそうです。
小学生年代の女子チームが少ない為、男子チームの中でサッカーをする傾向があり、女子だけでサッカーをする機会が少ない状況です。
■女子だけで試合をしよう!と始めた「ラピスプロジェクト」とは
男子の中でしかサッカーをしたことがないという子は、地方にもいます。そういった子に女子だけの試合を提供することを目的に開始された「ラピスプロジェクト」。
垣本さんは伊豆諸島でサッカーをしている女子小学生を集めて、女子だけの試合「ラピスカップ」を開催しました。
第1回目は神津島で伊豆大島、新島、式根島、神津島、御蔵島の女子たちに、カフリンガの中学生女子チームも加わり総勢約40人、2024年12月に開催した第2回目では西東京市の岩倉高校で近隣チームも加わり、約70人が集まりました。