金融教育ディレクター、ブランディングディレクター、選曲家ほか。 東京生まれ。大学卒業後、日本銀行入行。静岡支店、情報サービス局、金融広報中央委員会事務局、調査統計局などに10年在籍し退職。日銀では、学校教育における金融教育の概念作りや「金融教育元年」事業に注力したほか、広報、ブランディング、景気分析などを経験。 その間、いろいろな個人活動で人々と出逢い、現在は金融教育やブランディングを軸とした講演・執筆活動、企業や個人のブランディング、銀行の金融教育企画・運営、選曲家/DJ、ISETANの企画など、人や社会が楽しくなり、何かを考えるきっかけを創る活動をしている。文化服装学院特別講師、日本FP協会会員。
キャッシュレス化が進み、 お金の大切さがリアルに感じにくく なってきました。そんな時代だからこそ、幼いうちから 経済のしくみ を知ったり、 金銭感覚を身につけておく ことが大切です。 お金に苦手意識がある大人も、お子さんといっしょに お金との上手な付き合い方 を楽しく学んでいきましょう。 前編 に引き続き、金融教育ディレクターで 『すてきな相棒! おかね入門』 (リトルモア刊)の著書である 橋本長明 さんにお話を伺います。 前編では、 “生きる力を育む”ためのお金の基礎教育4つ についてお伝えしました。 後編の今回は、具体的にお金に関する子どもの質問にどう答えるのがいいのか、親が何気なくやっているお金にまつわる行動でやっていいことやNGなこととは何かについて、QA形式でご紹介します。 オモチャを買って! とねだられたら Q.オモチャ買って! ○○ちゃんも持ってるから! とねだられたときは、どう対応するのがいい? A.本人にとってどれだけ必要でどれだけ欲しいのか、 プレゼン させるようにしましょう。 まず、欲しいものが 1、消費=いまの満足のためにお金を使うこと 2、投資=未来の自分(満足)のためにお金を使うこと 3、浪費=必要以上にお金を使って無駄づかいすること のどれにあたるのか考えさせるようにしましょう。 さらに、 ニーズ(必要なもの)なのか、ウォンツ(欲しいもの)なのか も確認してみてください。未就学児ならここを聞いてみるだけでもOK。本当に欲しいのであれば、一生懸命考えてプレゼンしてくるはずです。 子どもの説明も聞かずに “ダメ!” とか “今回だけよ” と、 与える・与えないという基準がブレてしまうのは避けたほうがいい です。 プレゼンには2つのメリットがあって、1つは欲しいものを手にいれるためには 努力 が必要だと体感させられること。 もう1つは、 プレゼン能力を養う ことができます。日本人はプレゼンが苦手といわれますが、社会において必要な能力のひとつです。 「経済格差」のこと、どう伝える? Q.「○○ちゃんのおうちはお金持ちなんだって!」 経済格差 があることは、どう伝えればいい? A.そもそもお金持ちが偉いわけではないこと、お金には さまざまな稼ぎ方 があり、働く上では “生きがい”という要素も大切であること を伝えましょう。 経済社会のなかで暮らす以上、お金がなければ生きていけないのは事実です。だからといって、お金のある・なしで優劣がつくわけでも、幸か不幸かを決められるわけでもありません。 多くの人は生活に必要なお金を得るために働いています。しかし、私たちはお金のためだけに働いているわけではありません。人生の中でも多くの時間を占めている仕事を通じて、 夢や目標 を実現させている人もいます。 海外では “ikigai” という言葉が注目されていますが、 「収入を得ること」 以外に 「好きなこと」「得意なこと」「社会のためになること」 の4つの要素が重なったところに “生きがい” があるとされています。すなわち、生きていく上での張り合いやよろこびです。 橋本さんは選曲家/DJという肩書も持つ。大好きな音楽も大切な“生きがい”。 お金はそこまで稼げなくても好きなことをしたいという人もいれば、お金はたくさん稼いでいても好きなことが全然できずに生きがいを感じないという人もいるかもしれません。人それぞれ、家庭ごとにさまざまな尺度があって、どれも否定すべきものではありません。 “○○ちゃんのパパやママはがんばってたくさんお金がもらえるお仕事をしているんだね。で、あなたは将来どういうお仕事がしたい?”と話してみてもいいかもしれませんね。 「お金の価値」を理解させる方法 Q.キャッシュレス時代に お金の価値 をどうわかってもらえばいい? A.子どもの収入となるお年玉やお小遣い、お手伝いのいずれかもしくは全部を現金であげて、渡したときにありがとうと 感謝する心 やお金は働く対価であるということを伝えていきましょう。 お小遣い帳 は学ぶ手段としてもとても有効です。 キャッシュレス化はこれからどんどん進みます。だからこそ、まずは現金によるお金との付き合い方を 肌身で実感させる必要 があります。 現金を使ったお買いものを意識してさせるようして、 お釣りをもらう という体験をさせましょう。電子マネーや交通系ICカードを持たせている場合も、 チャージさせるときは現金を渡して、自分でチャージさせる ようにするのがおすすめです。 また、お金のやりとりが発生したら お小遣い帳 につけさせるようにすると、お金を 大切にしよう とか 欲しいもののために我慢しよう となど考えることができます。 そして、お金は天から降ってくるものではなく、 頭や体を使って働いた対価 ということを理解させることも大切。 恩着せがましく感じるかもしれませんが、たとえばご飯を食べるときに、 “パパやママががんばって働いたからおいしいご飯が食べられるんだよ” と伝えることも大事なことです。 親がしたほうがいいこと、NG行動 Q.お金の大切さを教えるために 親がした方がいい行動、NGな行動 とは? A. 現金を使う姿を見せる こと。 また、世の中のことを知るために いっしょにニュースを見て、子どものお見本となるようなお金の使い方を意識 しましょう。 逆に、自分の欲にかられた浪費や、“お金持ちが1番だ”とか目的もなく“お金が欲しい”と口にするのは控えましょう。 私の知り合いのご家庭ではオンラインショッピングで「Amazon」をよく利用しているそうで、お子さんは欲しいものは何でも「Amazon」がくれるものだと思っていた、というエピソードがあります。 ものを選んで買う姿や、現金でやり取りする姿を意識して見せる ことは大事なことですね。 また、お金の使い方って 親の影響がすごく大きい 。買うかどうか迷ったときに、 どういう基準で選んだかを実践で見せる ことも大切です。 たとえば私は、スニーカーを買うときはサスティナブルな素材(※)でできたものを選んでいます。その方が環境にもやさしくて自分にとっても気持ちがいいからです。 「自分が好きなもの」を選び、楽しんでいることが伺える橋本さんのファッション。スニーカーの多くはサステナブルな素材のもの。 このように社会や地球環境などに配慮したお買いもののことを “エシカル消費” といいますが、日頃から世の中のことを知っておかないと何を基準に決断したらいいかや、自分がどういうものに心を動かされるかわからないままです。 ニュースを見てさまざまな情報を得たうえで、最終的には 自分の価値観で選ばせていくこと が大切です。 ※サスティナブルとは「持続可能な」という意味で、サスティナブルな素材は、地球環境に配慮して作られたオーガニックコットンなどの天然素材やリサイクルによる再生繊維などのこと。 「お金の教育」最終目標はどこを目指す? Q.お金の教育の最終目標とは? どこを目指せばいいんでしょう? A.前編でご紹介した 4つの基礎教育 はぜひマスターしてください! 人生が変わる はずです。 あとは、自分なりの お金との距離感 を見つけることです。 著書 のタイトルに “すてきな相棒!” とありますが、自分にとってお金は あくまで幸せになるための道具 。大事な相棒ではあるけれど、少し 距離 をおくようにしています。 どういうことかというと、自分の人生の中で 道具のことを考える時間は極力少なくしたい んですね。必要なお金は仕事できちんと稼げるようにして、プライベートな時間に資産運用などはしないようにしています。 もちろん資産運用を否定しているわけではなくて、私自身が苦手なので。よく芸人さんでもいますよね、仲はいいけどプライベートは別っていうコンビ、あんな感じです(笑)。 十数年前、私がまだ日銀にいた頃に、当時の金融界の重要人物がある高校で講義をしたときに “お金には魔物が住んでいる” っていったことがあって。付き合い方や距離感を間違えるとお金には 人生を狂わせる力 があるということ。 お金との「自分なりの距離感」をどうするかを見つけること が最終目標な気がします。 私が考える 金融教育 は、 お金の働きやお金への理解を通じて、社会とはどういうものか、生きるとは何かを学ぶこと 。高度な金融テクニックを習得させることではありません。一番尊敬する父が39歳のときに病気で亡くなってから、“生まれたからには幸せになるべきだ”と考えるようになりました。 たくさんお金があるから幸せなわけではない。幸せに生きていくため、夢や目標を叶えるためにお金がある。お金のことを知って、よりよい関係を築ければ、きっと 将来の選択肢 は広がるはずです。 橋本長明 プロフィール 金融教育ディレクター、ブランディングディレクター、選曲家ほか。 東京生まれ。大学卒業後、日本銀行入行。静岡支店、情報サービス局、金融広報中央委員会事務局、調査統計局などに10年在籍し退職。日銀では、学校教育における金融教育の概念作りや「金融教育元年」事業に注力したほか、広報、ブランディング、景気分析などを経験。その間、いろいろな個人活動で人々と出逢い、現在は金融教育やブランディングを軸とした講演・執筆活動、企業や個人のブランディング、銀行の金融教育企画・運営、選曲家/DJ、ISETANの企画など、人や社会が楽しくなり、何かを考えるきっかけを創る活動をしている。文化服装学院特別講師、日本FP協会会員。 「すてきな相棒! おかね入門」 橋本長明 著(リトルモア刊) 日本銀行出身・金融教育ディレクターの著者が今こそ伝えたい、「おかね」との付き合い方。おかねの知識やマナーから、経済のしくみ、将来の自分を思い描くヒントまで授業形式でさまざまなワークをこなしながら、楽しくポジティブに学べる本です。今までにない切り口で、子どもも大人もいっしょに考える「おかねってなに?」。 取材・文/佐々木彩子 撮影/村上未知
2022年07月12日生きる上でなくてはならない お金 。だからこそ、 子どもには正しい知識を身につけてほしい と願うものです。でも、親である私たちはお金について学校で習う機会が少なかった世代。お金に対して、 苦手意識 がある方も多いのではないでしょうか。 「お金の知識に自信がなくても、大丈夫。お金の教育は “生きる力を育むこと” で、“知識”よりも 先に伝えるべき大切なこと があるんです」と話すのは、金融教育ディレクターの 橋本長明 さん。 日本銀行出身でお金についての講演も多数おこなっている橋本さんですが、「じつは私も資産運用は苦手で…」と苦笑い。親しみやすい人柄とポジティブなわかりやすい解説で、2月に上梓された 『すてきな相棒! おかね入門』 (リトルモア 刊)も評判をよんでいます。 そんな橋本さんに、 家庭でいつからどのようにお金の教育 をしたらいいのか、2回に渡ってお話を伺います。前編の今回は、 親が知っておくべきことや4つの基礎教育 についてです。 橋本長明 プロフィール 金融教育ディレクター、ブランディングディレクター、選曲家ほか。 東京生まれ。大学卒業後、日本銀行入行。静岡支店、情報サービス局、金融広報中央委員会事務局、調査統計局などに10年在籍し退職。日銀では、学校教育における金融教育の概念作りや「金融教育元年」事業に注力したほか、広報、ブランディング、景気分析などを経験。その間、いろいろな個人活動で人々と出逢い、現在は金融教育やブランディングを軸とした講演・執筆活動、企業や個人のブランディング、銀行の金融教育企画・運営、選曲家/DJ、ISETANの企画など、人や社会が楽しくなり、何かを考えるきっかけを創る活動をしている。文化服装学院特別講師、日本FP協会会員。 「お金の教育」とは “生きる力を育むこと” この春から高校の授業で “債券” や “投資信託” が教えられることになった、というニュースはご存知ですか? じつは2020年には小学校、2021年には中学校ですでに新たな 金融教育 がスタートしています。 このタイミングで お金の教育 をはじめなきゃと考えるご家庭も多いかもしれません。でも、何からはじめていいのか悩みますよね。 「“お金の教育”というと、イメージで投資や資産運用など、金融商品やお金を増やすテクニックの話に偏りがち。でも、そもそもお金自体に価値はありません。だって無人島にお金を持っていってもただの紙切れで、何の役にも立ちませんよね。 お金は、 使う場所があってこそ機能する もの。あくまで いまの経済社会のなかで役立つ “便利な道具” なんです。まずそこをきちんと理解したうえで、 その道具=お金を使ってどんな夢や目標を叶えたいか、どんな暮らしをしていきたいかを考えること が重要です。 それを理解していないと、お金だけを追い求めたり詐欺に関与してしまったり、人生が大きく狂ってしまいます。まずは お金とは何か、そのお金を使ってどうなりたいか をお子さんといっしょに考えてみましょう!」 選曲家/DJの顔も持つ橋本さんのご自宅兼オフィスには、大切にしているレコードやアートが並ぶ。大好きで集めているという愛らしい鳥モチーフのオブジェも。 もともと先進国の中では遅れをとっていた日本の金融教育。しかし、キャッシュレス社会でお金を使う実感が乏しくなるなか、成年年齢が18歳に引き下げられて、 高校生のうちからクレジットカードや住宅ローンが組める ようになったことなどから、 金融教育の授業が必修化 されました。 また、少子高齢化が進み、自分たちで資産形成しなくてはならない状況が差し迫ってきていることから、 幼い頃から金融リテラシーを身につけて、お金の管理をできるようにしておくことが重要視 されるようになってきました。 「そういう時代だからこそ、自分の軸をしっかり持って、 将来叶えたいことは何なのか、そのためにお金がどれだけ必要なのか、その必要な分をどうやって稼ぐか という 思考プロセス を経ることが大切。 たとえば、子どもが“大金持ちになりたい!”といったら、 “何のために?” と問いかけてみましょう。その答えが、“お菓子がたくさん食べたいから!”でもいいんです。 自分がどうなりたいか、そのために何が必要かを考えると、 社会の仕組み を知ろうとするし、 どういう社会にしていきたいか を考えることにもつながります。また、その過程で 決断する力 も育まれていくはずです。 お金の教育は、広義にいえば “生きる力を育む” こと。日本の金融教育プログラム(金融広報中央委員会<事務局:日本銀行情報サービス局内>)でも掲げられているんです」 基礎教育 1:お金の価値観 まずは、お金そのものには価値はなく、 道具であるという認識 を持たせること。つぎに、その道具を使って 自分はどうなりたいのか 考えること。 そしてその過程を経てから、金融教育の基礎教育である 4つの分野「お金の価値観」「お金を使う」「金銭管理」「お金を稼ぐ」 をマスターするといいそう。 「お金の価値観では、お金自体に価値はないと覚えてもらうことです。1万円札の場合、製造費用は約22円。国の信用で1万円となるが、戦争・紛争などで紙屑のようになることも。 一方、お金には『価値交換、価値尺度、価値保存』という3つの大変優れた機能を有した、経済社会にはなくてはならない便利な道具。生きるため、夢や目標を叶えるために必要であり、道具であるお金を追い求める人生はおかしいんです」 金融広報中央委員会では、小学生から高校生まで 年代別に教えるべき金融教育の目標 をまとめています(※)。 金融広報中央委員会(事務局:日本銀行情報サービス局内)とは、政府や日本銀行、地方公共団体や民間団体等が協力して、中立公正な立場から、暮らしに役立つお金の情報提供や、金融教育の支援をおこなっている団体。 橋本さんは日本銀行時代にこの委員会にたずさわり、まだ身近ではなかったお金の教育に親しみを持ってもらえるようブランディングに尽力するなど、 いまの金融教育のベース作り に注力しました。 ※金融広報中央委員会「 金融教育プログラム 学校における金融教育の年齢層別目標 」(2021年3月改訂版) 基礎教育 2:お金を使う 前出の 金融教育プログラム でも、小学校低学年では “ものやサービスを購入するとき、お金を払う必要があることを理解” とあります。 そしてもうひとつあるのが、 “実際にものやサービスを購入する” こと。これが基礎教育の 「お金を使う」 にあたります。「使う」とは、「消費」と「投資」、そして「浪費」の3つに分類できます。くわしくは後編で! 「実際にお金を使う経験をさせるときは、 現金を使うこと がポイントです。実際のお金に触れて人とやりとりしないと、リアルな体験にはなりません。 また、お金を使って何かを購入する前に、それは自分にとって 必要なもの=ニーズ(needs) なのか? 欲しいもの=ウォンツ(wants) なのか? ニーズ or ウォンツを考えさせる のが大切です。 たとえば、鉛筆。勉強に使うために足りない分を買うならニーズ、鉛筆の絵柄が気に入って家にあるのに買うならウォンツになります。それを考えることで無駄づかいを防ぐことができるし、ウォンツなら我慢しようかと問いかけることもできます」 基礎教育 3:金銭管理 ニーズかウォンツかを考えてお金を使ったり、お小遣いやお年玉でもらったお金を貯金しようなどと 自分で決断 できるようになったら、 「金銭管理」 を学ぶチャンスです。 金銭管理には お小遣い帳 が最適。ロードマップでは 小学校中学年(3~4年生) から実践することが推奨されています。 お小遣いの学習では、子どもたちの将来の健全な金銭管理能力を養うほか、 「お金は無尽蔵なものではなく、働く対価としてやってくる」、「我慢することの大切さ」、「目標に向かって努力すること」 など、道徳的なこと、社会における大切なことを学ぶことができます。 「お小遣い帳って大人でも挫折することがありますよね。正確につけようと神経質になるよりも、お金を使ったら記録するという 習慣 をつけることが大切。スタート時期はいつからでもいいので、 1年間 を目標につづけてみてください。 私が監修した お小遣い帳 には、最初に 今月の夢や目標 を書く欄があったり、ニーズ・ウォンツの記載もできるようになっているので、お子さんとの対話のきっかけにもなるはずです」 基礎教育 4:お金を稼ぐ お小遣い帳をつけるようになるとお金の出入りがひと目でわかるようになるので、 「お金を稼ぐ」 ことについても興味が沸いてくるかもしれません。ここでいうお金を稼ぐとは、 お金を得るにはどんな手段があるかを知ったうえで、働き方を考えること 。 そして働くとは、お金を稼ぐためだけではない。働く時間は、人生の多くを占めることになるから、その多くの時間を使って、単にお金を稼ぐだけではもったいないよね! という話に繋げていきます。(これについては、後編でご紹介します)。 実際に子どもがお金を稼ぐことはなかなか難しいのですが、お手伝いのお駄賃(対価)としてお金をあげるというルールを決めているご家庭もあるのではないでしょうか。 「アメリカではお手伝いを報酬制にしている家庭も多いですよね。働いた対価としてお金がもらえるということを幼いうちから体現できるのはいいこと。 お金をあげないとお手伝いをしなくなるかもと心配される親御さんもいるようですが、子どもって 頼りにされたり人の役に立つのがうれしい もの。たとえお金を渡し忘れても続けてやってくれているという声はよく聞きます。 もしお手伝いが適当になってしまったり、逆に回数をねだられる不安があるなら、ひと月にこれだけやったらいくらという サブスク制 にするのもおすすめです」 次回の 後編 では、具体的に子どもにお金に関する質問をされたときにどう答えるべきかや、 親がした方がいい行動・NGな行動 について、Q&A形式でご紹介します。 「すてきな相棒! おかね入門」 橋本長明 著(リトルモア刊) 日本銀行出身・金融教育ディレクターの著者が今こそ伝えたい、「おかね」との付き合い方。おかねの知識やマナーから、経済のしくみ、将来の自分を思い描くヒントまで授業形式でさまざまなワークをこなしながら、楽しくポジティブに学べる本です。今までにない切り口で、子どもも大人もいっしょに考える「おかねってなに?」。 取材・文/佐々木彩子 撮影/村上未知(*を除く)
2022年07月12日