アトピーをきっかけに、オーガニック野菜や伝統調味料を取り入れて完治。心や体の内側から美しくなるお料理をお伝えしたくて、ビオ野菜と乾物を使った料理教室「藤野料理教室 にじ」をはじめる。料理だけでなく、陰陽五行を用いたり、身近な食材を使ったお手当のレクチャーも。2016年秋、湘南から藤野に移転。
こんにちは。料理研究家の越野美樹です。だいぶお日様が高くなり、春のお野菜が出回ってきましたね。今回は、そんな春野菜のうまみをギュッと閉じ込めた 「春野菜のオイル蒸し」 をご紹介します。 ■苦手な野菜は「オイル蒸し」すると美味しくなる! 「オイル蒸し」のよいところは、なんといっても 野菜がたっぷり 食べられること。たとえば、キャベツの千切りは2枚もあればお皿山盛りになってしまいますが、オイルを加えて蒸し煮することでカサがかなり減ります。野菜が持つ水分を利用して、ふたをして火を入れるから、少しのオイルで全体に火が通るのです。 また、生野菜は体を冷やしやすい素材ですが、温野菜は体を温めながらいただくことができます。オリーブオイルを加えて火を入れることで、野菜特有の 生臭み、青臭さ のようなものも気にならなくなり、 苦手な野菜も食べやすく なりますよ。野菜嫌いのお子さんにはもってこいの調理法です。 つけあわせに生野菜や蒸し野菜もいいけど、油と合わせて蒸すことでビタミンが吸収されやすくなる「オイル蒸し」もレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。 ■「春野菜のオイル蒸し」の作り方 調理時間 17分 レシピ制作:藤野料理教室にじ 越野美樹 【材料】4人分 キャベツ 4枚 赤かぶ 1ケ にんじん 1/2本 しめじ 1/2房 ふきのとう 8ケ 塩 小さじ1/2 オリーブオイル 大さじ2 「赤かぶ」→ トマト、パプリカ、紫キャベツ、ラディッシュ、赤たまねぎ など。 「ふきのとう」→ ブロッコリー、インゲン、アボカド、アスパラガス など。 「にんじん」→ カボチャ、サツマイモ、とうもろこし などでもOKです。 【作り方】 1、キャベツはザク切り、赤かぶはくし形切り、にんじんは輪切りにし、しめじは小房に分け、ふきのとうはガクをとる。 2、鍋に1を広げていれ、塩とオリーブオイルを加える。 3、中火にかけ、湯気がたったらふたをして弱火にし、15分ほど火を入れる。 4、再び中火にかけて水気を飛ばし、器によそる。 ■これがコツ! “野菜の臭み” を上手に逃すには? 野菜をオリーブオイルで煮ることで、コクと香りが加わって甘く仕上がります。野菜の臭みを逃すコツは、ふたをする前に一度中火にかけて 湯気を出す こと。この湯気と一緒に野菜の青臭さが飛んでくれるのです。 そして、お塩は1ヶ所にのせるのではなく、 まんべんなく振る ことで野菜の水分を引き出してくれます。少々のオイルだけなのに焦げずに仕上がり、野菜の旨味がギュッと凝縮しますよ。 今回はお野菜の食感を残す程度に火入れしていますが、もう少しくたっとした食感がお好みなら、20分ほど火を入れると、また違うお料理のように仕上がります。 野菜は冷蔵庫にあるものでいいので、赤、黄色、白、緑、黒の5色の中から 彩りよく選ぶ と見た目も楽しくなります。 ふきのとうの代わりにブロッコリー、インゲン、アボカド、アスパラガス。赤かぶの代わりにトマトやパプリカ、紫キャベツ、ラディッシュ、赤たまねぎなど、季節によってアレンジを楽しんでみてくださいね。 ■アレンジ広がる! 万能な作り置き「オイル蒸し」 オイル蒸しはこのままいただいてもよいのですが、ひと手間加えるだけで、バリエーションが広がる万能な作り置きおかずでもあります。 楊枝や竹串にさせば お弁当 のおかずや パーティ に彩りを添えてくれます。 パスタやうどん をゆでて和え、桜えびなどを加えれば、ワンプレートのランチメニューに。 ピザのトッピング や、 ピタパンの具 としてもおいしくいただけます。 さらに、パン粉を加えてオーブンで焼けば 簡単グリル焼き に、お酢を加えれば 簡単マリネ に。 オイル蒸しにお出汁を加えて沸騰させれば 簡単スープ に、さらにアレンジすれば シチューの具 にも! 2、3日冷蔵庫で日持ちするから常備菜としてもオススメです。野菜を切って、鍋に入れて火をかけるだけでできる「オイル蒸し」、ぜひお試しくださいね。
2017年04月04日