落ち込んだ時に。心を解放してくれる冬の星空【1月16〜20日】
……七十二候の呼び名は、まるでひと言で書かれた日記のよう。そこに込められた思いに耳を澄ませてみると、聴こえてくるさまざまな声がありますよ。
太陽にも負けない強い光を放つ「冬の星」
星の光が、一年の中でもっともはっきり見えるのは冬といわれています。「冬の星」という言葉も、実は立派な季語なんですよ。寒さで体をふるわせながらも、冬の夜空に輝く冴え冴えとした星を眺め「きれいだな」と思った経験は、誰しもがあるはず。
冬の夜空に輝く星といえば、オリオン座の赤いベテルギウス、大犬座の青いシリウス、小犬座の淡黄色をしたプロキオンが有名です。この3つを結ぶ線を「冬の大三角形」といいます。子どもの頃、理科の時間で習いましたよね?
中でもシリウスは、太陽を除けば全天でいちばん明るい星といわれているんですよ。シリウスはその輝きの明るさから、古くから信仰の対象とされてきました。とくに古代エジプトでは、ナイル川の氾濫を知らせてくれる重要な星として、”ナイルの星”とも呼ばれていたのだとか。
わたしが素敵だなと思ったのは、シリウスの「天狼」という中国の呼び名。暗闇の中から、神秘的な青白い光を放つ星にぴったりな呼び名だと思いませんか?
ちょっぴり悲しい気分のときでも、力強く輝く星を眺めていると、明日もがんばろうという気持ちになります。