2011年3月22日 13:51
スティーヴン・ドーフ インタビュー S・コッポラが導いた新境地は“優しい人”
(Photo:cinemacafe.net)
昨年9月、第67回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞したソフィア・コッポラ監督の『SOMEWHERE』は、ハリウッドの伝説のホテル「シャトー・マーモント」を舞台に、自堕落に生きる映画スター、ジョニー・マルコが別れた妻との間にもうけた11歳の娘と過ごす数日間の物語。一見グラマラスな日々を送るスターの孤独を繊細な演技で表現したスティーヴン・ドーフに1月の来日時、話を聞いた。
37歳を迎え「若い頃はやっぱり生意気だったな(笑)」
取材の際、筆者がかつて編集に関わった雑誌で彼が表紙を飾った号を持参した。20代のスティーヴンが東京の新橋でサラリーマンの集団にまじって横断歩道に立ち、街頭の新聞スタンドの販売員と一緒に火鉢で暖をとる姿が掲載されている。
「覚えてるよ!でも雑誌を見るのは初めてだ」と大喜びでページをめくる彼は、原文のまま引かれた当時の自分のコメント「僕はくだらないハリウッド映画なんかやらない」を読んで、「こんなこと言ってる…」とつぶやきながら微笑む。だが、その言葉に忠実にキャリアを重ねてきたからこそ、『SOMEWHERE』のような作品にめぐりあったと言えるのでは?
「そうかもしれないね。