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構想7年! 不協和音、楽器製作…『タイタニック』作曲家が作る“感情を揺さぶる”音楽の秘密『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』

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構想7年! 不協和音、楽器製作…『タイタニック』作曲家が作る“感情を揺さぶる”音楽の秘密『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』


『アバター』シリーズの最新作であり、シリーズ第1章の完結となる映画『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』が、現在公開中。

神秘の星パンドラを愛する先住民のナヴィと、侵略を狙う人類の戦いを描いてきた同シリーズ。本作では、家族の命を奪われた悲しみを乗り越え立ち上がるジェイクら家族を中心に巻き起こる、シリーズ史上最大のエモーショナルな物語と、壮大なスケールの炎の決戦が描かれる。

今回注目したのは、音楽。本作の作曲を手掛けたサイモン・フラングレンは、『アバター』『タイタニック』でアレンジャー兼プロデューサーを担当。作詞・作曲・プロデュースに参加した『アバター』の主題歌「I SEE YOU」でゴールデングローブ賞にノミネートされ、『タイタニック』の主題歌「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」のプロデューサーとして、グラミー賞最優秀レコード賞を受賞と、ジェームズ・キャメロン監督作品に欠かせない存在。

7年も前から本作のために音楽を書き始め、作り上げた曲はオーケストラ楽譜(各楽器の演奏を1冊にまとめた指揮者用の楽譜)で1907ページという標準的なハリウッド映画に比べ約4倍の量となったそう。

サイモン・フラングレンが“これまで手掛けてきたどの作品よりも圧倒的だ”と語る壮大なスケールで生み出された今回の楽曲は、キャラクターの心情を細やかに表現し、観客たちを魅了する。


冒頭のジェイクとネイティリが喪失感に打ちひしがれるシーンについて、「二種類のメロディーをバラバラに奏でたりすることで、二人の間の行き違ってしまう想いや心の距離感を持たせることができるんです。それにより非常に厳粛なテーマでありながら、非常に繊細な色合いを持つ作品になっています」と語るサイモン・フラングレン。また、ジェイクたちを襲うヴァランや、彼女が率いるアッシュ族の音楽には、“内臓をえぐるような質感”を持たせるべく、不協和音を活用したという。

また、ジェイクたちが大空を行き交う巨大な生物に乗り、移動する様子が描かれるが、その中で平和な遊牧民の部族“空の民”と行動を共にする。サイモン・フラングレンは、“空の民”が登場する場面で、彼らの文化や行動に即した音楽を作曲しただけでなく、彼らが演奏する本物の楽器を、ゼロから新たに生み出した。「楽器のスケッチを描き、帆と同じ素材で楽器の一部を作ることにしました。弦楽器は船のロープや滑車のような雰囲気にしたいと思いました。彼らは遊牧民ですから。
彼らの活動を反映した楽器を持つべきです」と語っており、デザインをもとに、巨大な3Dプリンターで実際に演奏可能な楽器を製作した。

ほかにも、エンドソング「Dream as one」は、グラミー賞アーティストのマイリー・サイラスが手掛けており、「第83回ゴールデングローブ賞」で主題歌賞にノミネート。「第98回アカデミー賞」のノミネート作品の候補であるショートリストには、「Dream as one」が歌曲賞に、サイモン・フラングレンが作曲賞に名を連ねており、音楽の面からも、史上最高映画としての勢いを増し続けている。

『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』は公開中。

(シネマカフェ編集部)

■関連作品:
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ 2025年12月19日より全国にて公開
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