現代韓国社会の不動産問題を背景に等身大の女性たちのもがきを描く『ドゥリム パレス』3月公開
キム・ソニョン主演の韓国映画『ドゥリム パレス』が、3月28日(土)より全国順次公開されることが決定。日本版ビジュアル・場面写真・30秒予告編が解禁となった。
職場での事故火災で夫を失ったヘジョンは、真相を求めて会社への抗議活動を続けてきた。しかし、長引く闘いの末にやむなく和解金を受け入れ、中学生の息子ドンウクを連れて新築タウンマンション〈ドリームパレス〉へ移り住む。ところが、新たな生活への希望も束の間、自室に建築上の深刻な欠陥が発覚。不動産会社は「満室になるまで修繕はできない」と取り合ってくれず、管理組合で問題を提起しても、住民たちは事なかれ主義で何も行動しない。
ヘジョンは自ら修繕費を捻出しようと、マンションの値下げキャンペーンに参加。かつて同じ火災で夫を亡くしたスインに部屋を安く譲ろうとするが、「資産価値を下げる行為」として住民たちから激しく非難され、孤立を深めていく。
夫の命と引き換えに手に入れた〈家〉、そして息子との〈日常〉を守るため、ヘジョンは再び抗議活動に身を投じていく――。
本作は、現代韓国社会の不動産問題を背景に、等身大の女性たちのもがきを描くソーシャルリアリズムドラマ。韓国映画界が注目する新人監督に贈られる第59回大鐘賞「注目の視線」賞を受賞し、第27回釜山国際映画祭パノラマ部門をはじめ、国内外の多くの映画祭で受賞・上映された話題作だ。
主演は、韓国を代表する実力派俳優キム・ソニョン(「愛の不時着」『コンクリート・ユートピア』)。産業災害で夫を失い、代わりに手に入れたマンションを守り抜こうと必死にもがく女性・へジョンを熱演し、第59回大鐘賞主演女優賞にノミネート、第20回アジアフィルムフェスティバルで主演女優賞を受賞。抜群の存在感と繊細な感情表現で、作品に深みを与えている。
共演には、第43回韓国映画評論家協会賞ほか、本作で3つの助演女優賞を受賞したイ・ユンジ(「宮 -Love in Palace-」「ドリームハイ」)。同じ事故火災で夫を失った女性・スインを自然体に演じ、主人公ヘジョンとの揺れる関係を巧みに映し出した。
さらに、「弱いヒーロー2」「二十五、二十一」で注目されたチェ・ミニョンや、「善意の競争」「ナビレラ-それでも蝶は舞う-」で知られるキム・テフンらが脇を固める。監督を務めたのはカ・ソンムン。長編デビューとなった本作では、青龍映画祭と大鐘賞の新人監督賞にノミネートされ、韓国映画評論家協会賞で監督賞を受賞。人物を簡単に裁断せず、観客に問いを委ねる余白を残す作風で、次代の韓国映画を担う存在としてその才能を印象づけた。
公開された日本版ビジュアルは、光の差し込む“夢のマイホーム”の暗がりにひとり座るヘジョンの後ろ姿から、「幸福」という言葉の空虚さが立ち上る。
30秒予告編は、錆びた泥色の水が水道から流れ出す不穏な映像で幕を開け、「僕は母さんのようには生きない」「それでも生きていくしかないの」といった胸に迫る台詞が、張り詰めた緊張感を際立たせる。
『パラサイト 半地下の家族』『あしたの少女』などで社会のダークスポットを鋭く照らしてきた韓国映画から届く、新たな注目作に期待が高まる。
『ドゥリム パレス』は3月28日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。
(シネマカフェ編集部)
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