2016年8月7日 17:00
【美的アジア】『あなた、その川を渡らないで』チン・モヨン監督が語る、愛することのヒントとは?
それでも最後まで記録を撮らせて欲しい、最後まで撮影をさせて欲しい」といったことです。お子さんたちもご本人たちも同意をしてくださって、本来、おじいさんが亡くなるということは予測していなかったのですが、最終的に亡くなるところまでを撮ることになりました。
――約15か月もの間、ほぼ3人で過ごしていらっしゃったのですものね。それだけ長い間密着していれば、本当の家族のような関係になったのではないですか?
監督:家族という表現はあまりふさわしくないかもしれません。私としては「映画を創る人間」という立場で存在していたつもりです。ただですね、ご夫婦だけで住まわれていたので、私がおじいさんの最期の瞬間まで、最も至近距離で、最も長くおふたりを見ていたということで、互いにかなり情が湧いて、仲良くなったのは事実です。お子さんたちにも話したことがないような話をひとつずつ話してくれることもあり、映画を観たお子さんたちが「こんな話は初めて聞いた」と非常に驚かれていました。
――作品の中のおばあちゃんはなんだかとてもお茶目で、おじいさんはそんなおばあちゃんを優しく見守っているという構図がとても素敵です。
監督:これは笑い話なんですど、撮影が終了して最後に「私を末の息子にして下さい」