【シネマカフェ的海外ドラマvol.360】『ラ・ラ・ランド』を彩る音楽と「SMASH」の共通点とは?
今週末から、いよいよ日本でも公開される話題のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』。今月26日(現地時間)のアカデミー賞でも作品賞最有力と言われている本作が、ある海外ドラマとつながりを持っていることをご存じでしょうか?
その海外ドラマとは、スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた「SMASH」。2012年から2シーズン放送された「SMASH」は、ブロードウェイのスターを夢見るヒロインを中心に、業界の内幕を描くショウビズドラマとして日本でも注目を集めました。
新作ミュージカルをブロードウェイで上演すべく、キャストの座を勝ち取った役者たちはもちろん、演出家、プロデューサー、作詞家、作曲家、出資者らが思惑を交錯させていく「SMASH」は、劇中に登場するミュージカルがドラマ用に作られたオリジナルであることも魅力の1つ。物語の中心となる劇中ミュージカルを描くため、豪華なソングライターたちによって数多くの歌曲が作られました。その豪華なソングライターたちの中の1組が、『ラ・ラ・ランド』の劇中歌の作詞を担当しているベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。ゴールデン・グローブ賞で『ラ・ラ・ランド』が主題歌賞を受賞したときに壇上で大喜びしていた2人組、と言えば思い出せる人もいるでしょう。
このベンジ・パセック&ジャスティン・ポールは、共に1985年生まれの若さでありながら、すでにブロードウェイで大活躍しているコンビ。
作詞作曲を手掛けたミュージカル「クリスマス・ストーリー」がトニー賞のミュージカル部門作品賞にノミネートされたほか、リバー・フェニックス主演映画を舞台化した「ドッグファイト」などでも知られています。
本来は作詞作曲を2人で手掛けることの多いパセック&ポールですが、『ラ・ラ・ランド』では彼らが劇中歌の作詞を担当し、デイミアン・チャゼル監督の盟友でもあるジャスティン・ハーウィッツが作曲を担当。言うなれば、シンガーソングライターのスガシカオさんが「SMAP」の「夜空ノムコウ」に歌詞のみを提供したときのような状態でしょうか。オープニング曲の「Another Day of Sun」からゴールデン・グローブ賞に輝いた「City of Stars」、ミア役エマ・ストーンの熱唱が美しい「Audition」まで、1曲1曲にのせた言葉がどれも愛おしく響いてきます。名作ミュージカルへのオマージュなど、クラシカルな魅力をフィーチャーされがちな『ラ・ラ・ランド』ですが、いまを生きる私たちにも身近な作品となったのはパセック&ポールの紡いだ言葉の力も大きいところ。彼らが「SMASH」で手掛けた楽曲も、若々しくエネルギッシュなものでした。
『ラ・ラ・ランド』で注目度がさらに急上昇中のパセック&ポールは、作詞作曲を手掛ける新作ミュージカル「ディア・エヴァン・ハンセン」(『ラ・ラ・ランド』に負けない大傑作!)が現在ブロードウェイで大ヒット中。こちらは、友達のいない高校生エヴァンが同級生の自殺をきっかけにSNS社会の注目の的になるものの、自分の内に秘めた真実を言い出せず…という、より一層現代的な物語です。
また、海外ドラマ作品では、ミュージカル仕立てとなる「THE FLASH/フラッシュ」と「SUPERGIRL/スーパーガール」のクロスオーバー・エピソードにも楽曲を提供。このエピソードは、全米で3月20~21日に放送されます。
さらに、ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画『ザ・グレイテスト・ショウマン』(原題)やディズニーの実写版『白雪姫』でも音楽を担当!ベンジ・パセック&ジャスティン・ポールの名前を、今後もぜひ覚えておきたいところです。
(text:Hikaru Watanabe)
■関連作品:
ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開
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