2017年10月25日 22:00
【シネマモード】生き方は違っても、女の友情はゆるぎない――『はじまりの街』
専業主婦として生きてきたアンナはあくまでもコンサバティブ。グレーやベージュを好み、ハッと目を引くようなアイテムは身につけません。それは、DVの被害者だった過去とも関係があるのでしょうか。一方、細々とではありますが女優を生業にしているカルラは、華やかでいわゆるイタリア女性のイメージそのまま。赤などの差し色や柄物、ストールやネックレスといった小物を上手に取り入れ、それでいて全体はIラインですっきりまとめるかっこいいスタイル。2人が歩いていると、明らかに生活様式の違いが見て取れますが、それでも通い合うことができるのは、やはり成熟した大人なのだなと感じました。
日本で街を歩いていると、驚くほどそっくりなファッションをしている若い女性たちを目にします。10代、20代では、友人同士でそれほど生き方に違いもなく、好みも似ていることが多いのでしょう。
出会ったり交流したりするのも、学校や習い事の場となれば、似た環境で暮らす者同士だけに、好みがシンクロするのも当然かもしれません。ところが、社会に出ることで生き方に選択肢が増えてくれば、ライフスタイルに多様性が出てくることで、ファッションを始めとする好みにも大きな違いが生まれてくることも。