2019年10月5日 13:00
アーサーが悪のカリスマになるまで…『ジョーカー』のテーマは“思いやりの欠如”
コメディアンを夢見るひとりの男が、映画史上最凶の悪役といわれる“ジョーカー”になるまでを描くサスペンス・エンターテイメント『ジョーカー』。劇場型の犯罪で人を恐怖に陥れる“悪のカリスマ”を描く本作に込められたメッセージについて、主演のホアキン・フェニックスや監督のトッド・フィリップスが明かした。
まず、フィリップス監督は「この映画の大きなテーマのひとつは、思いやりの欠如だ」と断言する。解禁済みの予告編に登場する、バスの中で少年を笑わせようとおどけたアーサーが、少年の母親に冷たくあしらわれる切ないシーンについて、監督は「母親が『息子を笑わせてくれてありがとう』と言っていたら、アーサーはものすごく喜んで、踊りながら家に帰っただろうね。アーサーは世の中の苦労を背負っているんだよ」と語り、世間の心ない行為の積み重なりが次第にアーサーを傷つけ、心をむしばんでいくと明かした。
フィリップス監督と共に脚本を手がけたスコット・シルバーも、“思いやりの欠如”について「アーサーはもともと人を笑わせ、笑顔にすることだけを考えていたから、ピエロになってコメディアンを目指すんだ。ところが街の空気や環境がアーサーをむしばんでいく。