2019年10月14日 16:00
『パラサイト』『ジョーカー』『万引き家族』…格差社会への痛烈批判が共通テーマに
今年のカンヌ国際映画祭にて審査員満場一致で最高賞のパルムドールに輝き、オスカー前哨戦ともいわれるトロントやニューヨークなど各映画祭で絶賛&受賞を重ねているポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』。
来る第92回アカデミー賞でも有力視されている本作は、近年、名匠や気鋭監督たちがこぞって取り上げる国境を越えた共通のテーマを浮き彫りにしている。
全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家という、相反する2つの家族の出会いから想像を遥かに超える展開へと加速していく物語は、すでに韓国では1,000万人突破、フランスでは160万人突破ほか、各国で動員記録を塗り替える驚異的な盛り上がりをみせている。
ソン・ガンホが父親を演じるキム一家は、窓を開ければ目の前に地面、日の光もほとんど入らず、水圧が低いために家の一番高い位置にトイレが鎮座する“半地下”の家での生活から抜け出せずにいる。彼らの極貧生活が、豪邸をかまえるパク社長一家との出会いでどのように変化していくのか、気になるところだ。
そんな本作は貧富格差はもちろん、学歴社会、雇用問題など…いま世界が直面している問題への痛烈な批判を内包しつつ、ユーモア、サスペンス、アクションなど、あらゆる要素を融合させながら、ツイストの効いた展開で超一級のエンターテインメント作品として描かれている。