2020年12月15日 18:00
映画業界始まって以来の大ニュース!? ストリーミングはハリウッドを制するのか
《文:Akemi Kozu Tosto/神津トスト明美》
大手映画スタジオの一社であるワーナー・ブラザース(WB)が、2021年度劇場封切り予定作品の全てを、劇場封切り日と同じ日にストリーミング・サービスHBO Maxにて同時公開すると発表したのだ。それも、月決め契約料プラス視聴料課金(プレミアムPV(Premium Pay Per View))ではなく、HBO Maxに加入していれば公開後の新作品見放題という太っ腹な公開方式である。映画ファンにとっては夢のような話だが、映画業界内の状況は真逆の様相を呈している。
劇場作品のストリーミング配信、業界内に広がる余波
ストリーミングと劇場での同時公開を始めたのはワーナーが初めてではない。今年8月には、ディズニーが実写版超大作『ムーラン』を劇場とストリーミングで同時公開すると発表して、ハリウッドが蜂の巣をつついたような騒ぎになった。
大金を注ぎ込んで作った大型作品が映画館閉鎖あるいは開けても定員制限に加えてお客も来たがらないという状況の中、ついに新たな公開戦術を使用するに至ったのである。視聴にあたっては、ディズニープラスの月決め契約料のほかに『ムーラン』視聴料として30ドルが課金されるPPV(Premium Pay Per View)