『レオニー』松井久子監督が“母”の視点から天才彫刻家イサム・ノグチの偉大さを説く
(Photo:cinemacafe.net)
まず、イサム・ノグチその人ではなく、“母親”に焦点を当てた理由について、監督はこう説明する。
「イサム・ノグチや彼の父親(※詩人の野口米次郎)はすごく有名なのに、彼女のドラマティックな人生が、どうして誰にも知られることなく歴史に埋もれてしまったのかと思いました。もちろんいままで映画にもなっていませんでしたから。イサム・ノグチの母であり、ドラマティックな人生を歩んできたレオニー・ギルモアという人物を、同じ女性として世に送り出さなければ!という気持ちが強かったです」。
映画の中にもノグチ・イサムが残した作品が登場する。
エンディングの舞台となるモエレ沼公園(札幌市)もそのひとつ。
「映像化契約を結んだ後、初めて公園を訪れました。札幌の青い空と公園の緑、イサム・ノグチさんが選んだ石や道の白の素晴らしいコントラストに目を奪われました。雄大な素晴らしい風景でした。これをレオニーが見たら『我が息子は本当に素晴らしいものを作った』と、どんなに充足するだろうと思ったのを覚えています。シナリオを書く前でしたが、そのときにここをエンディングにしよう!と迷わず決めました」。
ほかにも劇中に様々な芸術作品が見られるが「私の趣味です(笑)。ひとつひとつに特に深い意味はありません」と監督は笑う。
ちなみに松井監督が特に好きな、イサム・ノグチの作品は「高松のイサムノグチ庭園美術館にある“エナジーボイド”という作品」だそう。
「かなり大きな石の彫刻なのですが、見る角度によって全然違う見方ができます。昔からイサム・ノグチさんの光の彫刻“あかり”が好きで、自分で買ったりもしていました。イサム・ノグチさんのことはフリーダ・カーロの本で知りました。その本には『恋人だった』と書かれていたので、恋多き男でもあったのかなと(笑)」。レオニー役のエミリー・モーティマーに米次郎役・中村獅童をはじめ、キャスト・スタッフに日米の人材が集められた本作。その中で苦労した点は?
「大変だったのは資金集めです(笑)。この使い捨ての時代、映画もただの商売道具になってしまっているように思えるいま、時代を超えて観ることのできる映画があるべきでは?と6年訴え続けてきた結果、幸運なことに作品を完成させることができました。
周りから反対されればされるほど闘志がわいてきましたよ(笑)。使命感もわいてきましたし。自分で自分の可能性を狭めることだけはしてほしくないと思います。嬉しかったのは、7年かかってやっと映画が完成して…英語もほとんど話せない私が、世界中の国の人たちと一緒に仕事が出来たことです」。
ちなみに11月17日はノグチ・イサムの誕生日。これに合わせて映画の公式サイトでは、レオニーとイサム・ノグチの生涯の軌跡をたどるをコンテンツ「『レオニー』オリジナル年表」を展開中。映画の世界観さながらに、母から子へと受け継がれる歴史を堪能することができる。
母の辿った道のりの何が不世出の天才彫刻家を育て上げるきっかけとなったのか――。
映画と合わせて彼女の歩みを辿ってみては?
『レオニー』公式サイト
http://www.leoniethemovie.com/
■関連作品:
レオニー 2010年11月20日より角川シネマ新宿ほか全国にて公開
© レオニーパートナーズ合同会社
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