日本未上陸の決済サービス「Apple Pay」とは何か(第1回) - Apple Payの仕組みとビジネスモデル
iPhone 6/6 Plusの目玉機能のひとつが「Apple Pay」だ。これまで頑なにiPhoneへのNFC (Near Field Communication)搭載を拒否してきたAppleが突然、方向転換し、多くの銀行や小売店パートナーを獲得して大々的にモバイルペイメント事業へと乗り込んできたことは、業界関係者にさえ驚きを与えた。すでにApple Payに関しては多数の報道が出ており、その概要が日本の読者の方々の耳にも入ってきているだろう。
ここでは、複数回に分けて、Apple Payに関する素朴な疑問に答える形で、情報を整理してみたい。まずは、Apple Payの仕組みと既存のサービスの違い」について。
○Q1.Apple PayはApple独自の特別な仕組みなのか?
仕組み自体は既存のインフラを利用している。日本を除く海外ではType-A/Bという方式を採用した非接触ICによるNFCの決済インフラが構築されつつあり、Apple Payはこの仕組みをそのまま利用しただけで、特別なものではない。ただし、現状ではiPhone 6/6 Plusの2種類の端末のみが店頭での決済サービスを利用可能で、iPad Air 2やiPad mini 3などのタブレットでは店頭での利用できない(アプリ内でのオンライン決済は可能)。
●Apple Payのビジネスモデルは?
○Q2.Apple Payと既存サービスとの違いは? どのあたりが注目なのか?
2点ある。1つはAppleの「プライバシーポリシー」で、もう1つは「ビジネスモデル」にある。前者は、「AppleがユーザーのApple Payによる取引に直接介入しない」というのがポイントとなっている。
* 取引への非直接介入について
Apple Payでは、同サービスを利用可能な提携銀行が発行したクレジットカード/デビットカードがあれば、それをiPhoneのカメラでスキャンし、後はカード後ろの3桁の数字のセキュリティコードを入れれば登録できるようになっている(その後に電話認証でアクティベーションが必要なケースもある)。Apple IDを持っていて、iTunes Storeにクレジットカード番号を登録しているユーザーであれば、その情報をコピーしてくることも可能だ。Apple Payではカード番号がiPhone本体に搭載された「セキュアエレメント(SE)」に記録されるが、カードを登録する際にカードブランド(MasterCard、Visaなど)が発行する「トークン」と呼ばれる16桁の数字で本来のカード番号とは異なる認証番号が設定され、これがSEに記録された状態で決済が行われる。
AppleはSE内に記載された情報は把握しておらず、iPhone自体も直近に行われた過去1回の決済内容を把握しているのみだ。つまりAppleは決済にはいっさい介在しておらず、決済情報はユーザーがカードを発行した銀行に問い合わせて確認するしかない。
本来であればAppleは決済情報を記録して別のビジネス(行動把握による情報販売やお勧め紹介など)の展開が可能にもかかわらず、これを放棄している点が非常に面白い。
* Appleのビジネスモデルについて
ただし、これではAppleがApple Payから得られるものは何もない。そこで取引内容を把握している銀行から直接料金を徴収する「ビジネスモデル」を採用したといわれる。Financial Timesの報道によれば、100ドルの買い物あたり15セントということで、この手数料は0.15%ということになる。
通常カード決済は、取引を仲介する銀行(もしくはカード発行会社)が取り決めにより、引き落とし総額(つまり決済金額)から一定額(「"インターチェンジ"費」と呼ばれる)を差し引き、以後は決済を中継するカード決済ネットワークから、アクワイアラや決済代行業者が手数料を引いていき、最後に残った金額を、商品を販売する小売店が手にする形となる。
この間に引かれた手数料の合計が「カード決済手数料」といわれるものだ。一般に小売店はカード決済手数料を販売額に上乗せできないため、カード取り扱いを嫌がる小売店がいるというのもこうした理由による(カードを導入したぶんだけ売上を増やさなければメリットが薄いため)。
Apple Payの場合、前述の手数料は仲介業者としてではなく、カードを発行する銀行から直接徴収するモデルを採用しているといわれ、Apple Payを利用することによる追加負担は、ユーザー個人や小売店には発生しないとされている。
一説には前述インターチェンジ費用の一部から銀行に拠出させているという話があり、Appleが何らかの理由で有利な条件を勝ち取ったのだと考えられている。
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