個人投資家の動きにも変化の兆し~企業変革や経済の好循環に高まる期待~
円相場は1米ドル=120円を挟んで小動きながら、日経平均株価が4月10日に一時、約15年ぶりに2万円台を回復するなど、足元で日本株式の堅調ぶりが目立ちます。こうした中、4月に相次いで設定された日本株式投信に、下がらない相場にしびれを切らしたかのように大量の資金流入があったことが注目を集めました。
日本では、1990年代初めのバブル経済崩壊以降、株価低迷が長期にわたり続いたことなどを背景に、株高は長続きしないとの見方が強まり、長期投資で大きな成果を狙うより、相場が下げれば押し目買い、上がればこまめに売って利益を確定するという「逆張り」の動きが個人投資家の間で拡がりました。しかし、足元の株価上昇局面で日本株式投信の大型設定が相次いだことは、日本株式が長期投資の対象として見直され始めていることを示唆しているとみられます。その主な背景として、ROE(自己資本利益率)の目標設定や、増配・自社株買いといった株主還元の積極化が相次いで発表されるなど、デフレ環境下で資金を手元に積み上げてきた日本企業が、インフレへの転換が進む中、資金の有効利用に動く姿勢を鮮明にしていることが挙げられます。こうした企業変革の動きは、機関投資家向けの行動規範「スチュワードシップ・コード」