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モデルケースから学ぶ、PoEネットワークスイッチの使いどころ (1) 概要編

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モデルケースから学ぶ、PoEネットワークスイッチの使いどころ (1) 概要編
モノのインターネット (IoT:Internet of Things)という言葉を目にする機会がとても多くなった。IoTとは、あらゆるモノに通信機能を持たせて相互に通信し、より効率的な自動制御などを行うことを目的としている。そこでは当然ながら、モノを動かすには電力の供給手段を考えなくてはならない。本稿では、その手段のひとつとして有効なLANケーブルを介して電力供給をするPoE(Power over Ethernet)について、NETGEAR社のPoE対応スイッチの製品ラインナップを交えながら紹介する。

○PoEの特徴

PoEとは、UTPケーブルを通じて電力を供給する技術だ。無線LANアクセスポイント(以下、AP)やIPカメラ、IP電話などへの電力供給のためによく利用されている。

このようなPoE対応機器の特徴として、設置場所を選ばないことがあげられる。たとえば、無線LANのAPは、電波のカバー範囲を考慮してオフィスの天井に設置することが多いだろう。
しかし、天井に設置したAPへ電力を供給するのは容易ではない。また、IPカメラは“監視したい”場所に設置するのが一般的だが、監視場所のそばに電源があるとは限らない。さらに、IP電話は社員のデスクなどに設置することが多いが、デスク周りにそもそも電源の空きがないこともある。

こうした電源を供給するのが少し難しいような機器や環境において、PoEを利用すると、とても便利だ。PoEによってLANケーブルのみの配線でネットワーク接続も電力供給も行い、配線を簡素化できる。

また、機器の配線を簡素化できるだけではなく、機器の電源供給を集中管理できることもPoEを導入する大きなメリットだ。たとえば、個別に電源をとっている場合、停電時にはそれぞれの機器の電源をUPS装置でバックアップする必要がある。一方、PoEにより電源供給を行っている場合は、PoE対応スイッチの電源のみをUPS装置でバックアップを取ればよい。


○PoEの規格

PoEの規格には、以下の2つがある。

・IEEE802.3af
・IEEE802.3at

IEEE802.3afは、1ポートあたり最大で15.4Wの電力を供給できる。一方で、IEEE802.3atでは供給できる電力量を30Wとして、より消費電力が大きい機器にも対応できるようにしている。IEEE802.3atはPoE+とも呼ばれ、ベンダー独自でより供給電力量を増加させている機器もある。

PoEで電力を供給する機器を給電機器(PSE : Power Sourcing Equipment)と呼び、PoE対応スイッチが給電機器となる。そして、無線AP、IPカメラ、IP電話など電力の供給を受ける機器は受電機器(PD : Powered Device)だ。PSEとPD間の給電の仕様はClassに分かれている。

表 1 PoE給電仕様

PSEとPDを接続すると、自動的にPoEに対応しているかを検出する。
PoEに対応していればClassを決定して、PSEからPDへ電力を供給する。LANケーブルは、8本の銅線を2本ずつより合わせて4対としている。10BASE-Tや100BASE-TXはそのうちの2対でデータ用の信号を送受信する。PoEの電力の供給は、データ用の信号と同じ銅線のペアで行うTypeAと、データ用に利用していない銅線のペアで行うTypeBの2種類ある。PDでは、TypeAとTypeBのどちらもサポートしている必要がある。つまり、PDはPSE側で対応している方式で受電できるようにしている。

○NETGEAR PoEスイッチ

NETGEAR社は、小規模な環境から中規模向けのネットワーク機器やストレージ機器を手がけている。PoEに対応したスイッチのラインナップも豊富に揃えている。
NETGEAR社の主なPoE対応スイッチは次のとおりだ。

表 2 主なPoE対応スイッチ

マネージスイッチは、きめ細かな管理ができるスイッチのカテゴリだ。VLANやQoSをはじめとする企業向けネットワークで要求されるさまざまな機能を備えている。設定や管理はWebブラウザによるGUIでも、コンソールやTelnet/SSH接続でのコマンドラインでも可能だ。主にネットワークのコア部分や大規模なネットワークにおけるエッジ部分で利用されることが多いカテゴリだ。

スマートスイッチは、WebブラウザによるGUIで直感的な設定や管理ができるカテゴリとなる。マネージスイッチと同じように、VLANやQoSをはじめとするさまざまな機能を備えている。ネットワークのコアからエッジ部分での用途が多い。


アンマネージプラススイッチは、通常のレイヤ2スイッチのデータ転送に加え、VLAN、QoSなどの基本的な機能を備えている。設定や管理は専用のアプリケーションで行い、PCなどを収容するエッジ(境界)部分での用途が多い。

上記にまとめたPoE対応スイッチを見ると、NETGEAR社はさまざまな用途向けの製品ラインナップを展開していることがわかるだろう。

○まとめ

PoEによって、電源確保が難しいことがある無線APやIPカメラ、IP電話などに手軽に電力を供給できる。通常のスイッチに比べると、PoE対応スイッチは 電力供給を集約できるメリットは大きい。無線AP、IPカメラ、IP電話などの機器の電源確保に悩んだ経験があるネットワーク管理者の方は、PoE対応スイッチの導入を検討してはいかがだろうか。

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