巨人Intelに挑め! - 80286からAm486まで (1) AMDとIntelの確執の起源
今から思うと、何かわからない熱病にかかっていたような気がする。そんな気持ちを持つのは多分私だけではないだろう。
Intelが4ビットのCPU4004を発表したのは1971年である。4004の誕生についてはいろいろな記事があり、Intelがこのプロセッサを日本の計算機会社のために開発したのだということについてもいろいろな記述がある。その当時汎用CPU、いわゆる同一ハードウェアで幾多の用途に応じたアプリケーションソフトが動くという考え方は存在していなかったし、このプロセッサがさらに発展し、今ではクラウドコンピューティングを支えるサーバーのエンジンになるなどとは40年前に誰が想像しただろうか(そもそもInternetと言う概念がなかった時代である)。
私はAMDに勤務した人間であり、最初にIntelが開発したx86 CPUの起源を語る資格もないし、するつもりもない。 AMDに勤務していた時は、Intelは常に圧倒的な力を持った競合であり(その強大さは時にはため息が出るほどであった…)、追いつき追い越すための大きな目標であった。と同時に、私は常々Intel社に対してはシリコンバレーの中心企業として、また驚異的なコンピューター技術革新を常にリードした業界の推進力として大きな敬意を抱いていた(この私のIntelへの敬意は、その後AMDがK7/8で技術的にIntelを追い抜いた事態が起こった時Intelが独占的地位の乱用という行動をとったことで崩れ去ったのだが…これについては機会があれば後述したい)。